ビール好きなら知っておきたい「ビール」と「生ビール」の違いとは?
居酒屋で最初に注文したくなるものといえば…生ビールですよね!それでは「とりあえず生!!」が大好きなみなさんに問題です。
「生ビール」と「ビール」の違いってな〜んだ??
今回は贅沢に1記事使って、じっくりこの問題の答え合せをしていこうと思います。
ビール好きなら知っておきたい豆知識を一緒に学んでいきましょう!!
ビールの造り方を知ろう!
生ビールとビールの違いを説明するためにはまず、ビールの造り方を知っておく必要があります。
ビールの主な原料は「麦芽」・「ホップ」・「水」の3つ。これらがなければ魔法を使わない限り、ビールを作ることはできません。
まず、大麦から「麦芽」を作り、細かく砕いた麦芽と副原料、温水を合わせ一定時間保持し、糖化液を作ります。
そこへ「ホップ」を加えて出来上がった麦汁に酵母を加え、発酵させることでビールが完成するのです。
実際はもっといろいろな工程を経て、美味しいビールができ上がっていますが、今回はちょっと省略。
大事な部分だけをざっと説明すると上記のような工程で作られています。
ここでポイントになるのが「発酵」に使った酵母菌の後処理。この後処理の違いが、「生ビール」と「ビール」の違いを生み出しているんですよ。
生ビールとビールって何が違うの?
さてさて、ここからが本題。一体「生ビール」と「生ビール」って何が違うのでしょうか。
先ほどもご説明した通り、ビール造りには欠かせない酵母菌。
ですが酵母菌が麦汁を発酵させて美味しいビールに仕上がった後、酵母菌をそのままにしておくと、発酵が進みすぎて美味しくないビールに変わってしまいます。
美味しいビールを造るためには発酵を止める必要があったんですね。
この時、加熱処理をして酵母菌を殺菌して仕上げたビールが「ビール」、加熱処理を行わず、ろ過で酵母菌を取り除いて仕上げたビールが「生ビール」と呼ばれています。
加熱処理といっても高温で煮たりするわけではなく、50℃~60℃のお風呂より少し暑いくらいの温度帯で処理を行います。
こうすることで酵母の働きを止め、発酵のし過ぎを防いでいたのです。
技術的な問題で、加熱処理をしなければなりませんでしたが、技術が進歩し、現在では加熱処理を行わずとも酵母菌を取り除くことができるようになりました。
その方法がろ過です。ろ過によって酵母菌の除去する方法を開発したのはサントリー社。1967年のことでした。
熱処理よりもビールの味が変化せず、ビール本来の味わいが楽しめるとして、今では多くのメーカーがろ過での酵母除去を採用しています。
ということで冒頭の問題の正解は「加熱処理を行っているかいないかの違い」でした。
みなさん、正解できましたか?
日本にあるほとんどのビールは“生ビール”
現在日本で生産されているのはほとんどが生ビール。
そのため、居酒屋で飲むジョッキのビールや瓶のビールだけでなく、コンビニやスーパーに売っているビールもほとんど生ビールです。
詰める容器の違いだけで、実は中身は同じなのです。
ちなみにこの定義はあくまでも日本での分け方。
本来の「生」は英語の「Draft」がその語源。
つまり樽に詰めた出来立てのものが生ビールと言われています。
●生ビールだから絶対おいしいとは限らない
ここまで読むと、なんだか生ビールのほうがおいしそうな気がしてきますよね。しかし、そうとは限りません。
というのも熱処理をしたほうが保存性に優れ、品質が変化しにくいという特長があります。
生ビールはしっかりと保管ができなければ味が劣化しやすくなってしまう一面もあるのです。
中にはお店の雰囲気をみて、生ではなくあえて熱処理ビールを頼むという猛者もいるんだとか…自宅でも管理には十分気を付けたいところです。
また、生ビールはフレッシュでさっぱりとした味わい、熱処理ビールはどっしりと厚みのある味わいとそれぞれに味の特長もあるので、自分の好みやその時の気分によって飲み分けてみるとさらにビールを楽しめると思いますよ。