【舞鶴市】レトロな旧駅舎カフェ「サロン・ド・流々亭」

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2022/08/17

京都府でお茶といえば日本三大産地のひとつ「宇治」が有名ですが、日本海に面した舞鶴市もお茶の名産地だというのをご存じですか?東舞鶴のレトロなJR松尾寺駅舎内に、舞鶴の地で生産された「舞鶴茶」が飲める日本茶カフェがあると聞き、現地を訪ねてみました。

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宇治茶を支えるお茶のまち・舞鶴市

日本茶カフェ「サロン・ド・流々亭(るるてい)」があるのは、赤れんが倉庫群で知られる東舞鶴からJRに乗ること約7分。大正11年に建てられた趣ある松尾寺駅舎内にあります。

お店を営んでいるのは舞鶴生まれの砂田奈知さん、片山亜末さんの仲良し姉妹。お二人の穏やかな雰囲気にマッチした、とってもステキなカフェです。

舞鶴市の茶畑

舞鶴茶の誕生は昭和11年。由良川流域の気候が宇治川流域に似ていること、また土壌も宇治川沿岸と同じ砂質であることから、京都府の指導茶園のひとつとして、由良川沿いの八田地区に茶園が作られたのが始まりです。

その後、何度も産地賞1位を受賞し、現在は玉露と碾茶(てんちゃ=抹茶の原茶)の2種が宇治に運ばれ、宇治茶として合組(ごうぐみ=ブレンド)されています。

また舞鶴市に隣接する綾部・福知山市もお茶の産地で、舞鶴・綾部・福知山の3つの市でできる茶葉は「両丹茶」の総称で呼ばれています。こちらも玉露と碾茶が宇治茶として合組されているんですって。サロン・ド・流々亭では、この上質な舞鶴茶をはじめ両丹茶など京都のお茶がいただけます。

姉妹、舞鶴産煎茶の製茶を始める

茶処 流々亭は青葉山中腹、松尾寺門前に立つ明治初期に建てられた立派な日本建築

こちらは元から日本茶カフェだったのではなく、以前は「茶処 流々亭」という、松尾寺門前の茶店でした。

姉妹の父が、かつて茶葉の製茶・販売をするお茶屋を営んでいたことから姉妹もお茶屋さんをやりたかったそうなのですが、父に相談したところ「難しい商売なので、まずは抹茶を出す店をしてみては?」と提案され、縁あって松尾寺の門前で「茶処 流々亭」を営むことになったのです。

メニューは主に宇治の抹茶にぜんざいや蕎麦など。姉妹の朗らかな人柄もあり、たちまち西国三十三所巡りのお遍路さんやお参りの方々に愛される人気店になりました。

そんなある日、亜末さんの友人の茶農家から舞鶴産煎茶をもらった姉妹。舞鶴茶の存在を知ってはいましたが、もらった煎茶の味のバランス、優しい飲み口、長く続く後味の甘い余韻に驚きます。

「思っていた以上に美味しくて、舞鶴の人にもこの美味しさを知ってほしい!」と思ったんです。

それに「自分の住んでいる町のお茶の味を知っているというのはステキなことやなって。他の土地に行ってお茶を飲んだ時、ここの土地のお茶はこういう味なんだ、と土地による味の違いが分かるのも楽しいなと思うんです」と姉の奈知さん。

そこで舞鶴産の煎茶の製造・販売を決意。茶農家に荒葉を分けてもらい、製茶は宇治の工場でお願いすることに。しかも、量が少ないため機械製茶ができず、熟練の職人さんが手作業で製茶をしてくださることになったのです。それにより、舞鶴茶ならではの繊細さが生きた味に仕上がりました。

そして2017年、「お茶の流々亭」のブランドを立ち上げ、茶店で舞鶴産煎茶の販売をスタートしたのです。

松尾寺駅

ところが2018年、近畿地方を中心に甚大な被害を及ぼした台風21号により築150年の茶店は半壊状態になってしまうのです。そんなピンチもありましたが、再び縁あって今度は無人駅となっていた松尾寺駅舎が借りられることに。

そして2019年、日本茶のみを出すカフェ「サロン・ド・流々亭」として営業再開することになったのでした。

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