女性の混浴温泉体験記。泥浴で肌もツルツルになる別府温泉保養ランド
まるで底なし沼。美肌効果抜群の泥浴体験
おそらく、「別府温泉保養ランド」で語るべきは、混浴よりもやはり泥浴。ということで泥湯に話しを戻すと、露天風呂に入った瞬間、まずはじめてのその感触に驚きます。
入り口付近の人がよく通る部分はぬかるみを歩いているような感覚ですが、ちょっと人の通り道からはずれると、それはもはやぬかるみを越して泥の沼に足を取られてしまったようなもの。
はじめはびっくりして、どうしたらいいのかわからなくなってしまいましたが、慣れてしまえば、底なし沼に身をゆだねる感覚も気持ちよく感じるようになるから不思議です。
柔らかな泥に身体の部位がおおわれていくのを積極的に楽しめるようになりました。
手のひらですくうと、もってりと重みを持った粘土がくっつきます。色はうっすらとグリーンがかったグレイで、どこかで見たことがあると思ったら、いわゆるイタリアなどで使われる泥パックと同じなんですね。粘土をすくいとって、身体のあちこちに塗りたくると泥パックとなるわけです。
長い歳月をかけ植物や鉱物をはじめ様々なミネラル分が溶け込んだ泥は、余計な老廃物を吸収してくれる効果があり、スパのエステメニューはもちろんのこと、最近はこの粘土質の泥(クレイ)を用いたクレイセラピーなるものにも注目が集まっています。
泥浴の場合は、パック効果に加えさらに温泉成分でお肌がつるつるに整えられるという嬉しい二重効果! ちなみに、露天の看板には大きくアトピー、皮膚治療に効果があると明記されています。
この大浴場の奥にさらにもうひとつあるのが自律神経を整えてくれるという露天。もちろんそちらのお湯も試してみることに。
このとき、大露天のまわりを半周ばかり歩く形になるので、移動時用にタオルが必要ですが、みなさん女性の方々もちょっと大きめの手ぬぐいタオルで前を隠しながら、ごく普通に移動していました。
わたしが行ったのは平日の午前中だったということもあってか、人の姿もぽつぽつとしかなく、周囲の視線が気になるなんてことはまったくありません。
混浴ということよりも泥浴に気を取られているせいもあってか、大きいプールからちょっと小さめのプールに移動しているくらいの感じで、女性でもそう気を使うことなく露天を楽しめる雰囲気です。
気になる泉質はというと、こちらの湯は手前の大浴場に比べさらに泥度が増した濃密な湯という印象。足元のぬかるみ具合が半端なく、湯船の中で座っていると腰や脚の部分までかなり泥の中に埋まる感じです。
お湯に浸かっているというより、文字通り泥浴。泥パック効果を期待したい人は、奥の露天のほうが満足度が高いと思います。
この泥の湯に入る鉱泥浴は、古代エジプト、クレオパトラの時代から行われていた美容法ですが、足元と下半身を暖かな泥層の中につつまれながら思ったのは、これはほとんど地球の内臓に触れているのと同じことではないか?ということ。
何千年もかけて蓄積された地球を形成する内部に、外側から足をつっこんでいる状態です。地球と一体化なんて書くとあまりにも壮大過ぎますが、実際そんな気分も味わえないわけではなく。とにもかくにも、なかなかダイナミックな温泉であることは間違いありません。