定年後にひらめいた。60歳からハープ博物館を作り出した男の夢物語

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2017/05/17

海外赴任先でハープと出会う

坂井一彦さん

現役時代の坂田さんは世界を股にかけた辣腕ジャパニーズ・ビジネスマンでした。しかし、仕事ばかりしていたわけではありません。赴任先の各国に様々なハープがあることに気づき、その音色に魅せられていきました。

出会いは、坂田さんが初めて出張したパラグアイ。取引先とのディナーの席で流れてきたアルパ(スペイン語でハープのこと)の音色に魅せられ、早速、アルパを購入したほど。その後、カナダ、スペイン、ブラジル、イギリス、フランスでの駐在生活を送る間も、ハープへの関心は途切れることはありませんでした。ブラジル赴任時代にはパラグアイのアルパの巨匠に師事。駐在員としての多忙な仕事の中でも、何とか工夫して、習う時間を作ったと言います。

しかし、本格的にハープ収集に火が点いたのはパリに駐在してから。パリはヨーロッパ文化の中心地。楽器に関する豊富な資料や古文書を収蔵した図書館、博物館がたくさんあります。それらの文献を読み漁り、ハープという楽器の奥深さを知りました。

ちなみに、世界で最も古いハープは5000年前にイラクのウルで発見されたものとか。ピアノやフルート、トランペットなどよりもずっと古い楽器なのです。そして、ケルトハープやアイリッシュハープ、中南米、アフリカ、南北朝鮮、中国、台湾、インドネシア、タイ、ベトナム、インドなど、世界中に存在することを知りました。

そのうち、ヨーロッパで知り合った人たちから資料や楽器を譲ってもらうようになり、いつの間にか、集めたハープは30台にもなっていました。

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