60代の半分以上がスマホに。ガラケーを辞めたシニアにあるプライド
崩れた「ガラケーからシニア向けスマホ」の図式
ところで、図1や図2では「シニア向けスマートフォン・フィーチャーフォン」が分けて数値化されていた。もう一度、図を振り返ってみると、60代での「シニア向けスマートフォン・フィーチャーフォン」利用率は3.9%、70代では10.9%と、CMでよく見る割には振るわない。
携帯各社やメーカーは、なかなかスマホに切り替えてくれないシニアに向けて、苦肉の策として、ガラケーから簡単な操作で使いやすいシニア向けスマホに、いずれ慣れたところで、通常のスマホに移行という図式を思い描いていたようだが、どうやら、あまり成功してはいないようだ。
それはなぜか。1つ目は、メーカーがスマホの使いやすさを研究した成果ともいえる。
2つ目は、図3にあるように、パソコンなどでインターネットに親しんできたシニア世代にとって、スマホもそれほど難しいものではなくなったということ。55歳の人は5年たてば60歳になり、
そして、3つ目が最も重要なポイントだ。
シニア向けというものには、多かれ少なかれ、拒絶反応を持つ傾向がある。私の仲間でも、シニア向けスマホを使っている人は少ない。持っている人に、なぜそれを選んだかと聞くと、子供が買ってくれたなどという場合が多い。実は、本人はあまり納得していない。
なぜなら、いかにもシニア仕様の大きなボタンが並んでいたり、利用法が制限されていたりと、自分のスマホはいかにもダサいように見えるのだ。友人たちは自分で選んだスマホを、好きなケースやカバーに入れて持ち歩いている。「あっちがいいな」。
スマホが使えるかどうかはともかく、シニアといえど、おしゃれでかっこいいものが欲しいのである。特に、
そうしているうちに、格安スマホが登場した。いつも行っているスーパーでも買えたりする。早晩、シニア向けスマホは消えていく運命にあるのではないだろうか。
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