余った人生で世の中を助ける…リタイア世代の「街おこし」成功例

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2016/07/20

シニア世代が地域の活性化に貢献する事例はいくつもあります。今回はこれまでの自分の専門分野を生かしながら、よろず相談事業を運営する群馬太田市のNPO法人「よろずや余之助」を紹介したいと思います。地域の市民活動事情に詳しいシニアライフアドバイザーの松本すみ子さんに取材していただきました。

「何か面白いことはないか」が原動力

前回のコラム『うれしい補助金も。定年後の「街おこし」で利用すべき便利な制度』では、自治体の助成金を活用しない手はない、そうした情報には敏感になって、活動に役立てることも考えましょうと提案しました。

シニア世代の中には、こうした動きが活性化し始めた2000年頃から、いち早くキャッチしてうまく活用し、自分たちの活動の起爆剤にした団体も少なくはありません。今回は、その一つをご紹介。
群馬県太田市にあるNPO法人「よろずや余之助」は、会長で設立者の桑原三郎さん(67歳)と地元の仲間たちが、何か面白いことはないかと集っていたことが きっかけで始まった活動です。

仲間たちの大半は、地元の太田高校の同級生。卒業後も時々集まっては、そば打ち大会やミニコンサートなどを開き、わいわいが やがやと和やかな交流を続けていました。そのうち、様々な専門家として知恵や経験を身につけたメンバーたちは、それぞれの専門性を生かして、何か地域に役立つことができないかと考えるようになりました。

2002 年、太田市で経済産業省関東経済産業局が主催する「ターン&コミュニティビジネス事業」のワークショップが開催されることになりました。これは、首都圏の 企業に就職したビジネスマンに、定年後、故郷でコミュニティビジネスを立ち上げてもらうための実験プログラム。これこそが自分たちが求めている活動だと、 仲間の機運が一気に盛り上がったのでした。

さっそく主要メンバーが集まり「太田コミュニティビジネス研究会」を立ち上げ、商工会議所やロータリークラブ、ボランティア団体などにも呼びかけました。
そ して、出来上がった基本コンセプトは「誰でも気軽に寄れて、何でも気軽に相談できる店をつくること」。ビジネスの現場で競争を余儀なくされてきた世代だか らこそ、リタイア後の人生にまず必要なのが仲間たち。自分たちと同じように、なんでも相談できる“なかよしクラブ”を作ることが、地域に軟着陸できる最大 の秘訣だと考えたのです。

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