日本で「オリーブ」をカルチャーに成長させた香川県・小豆島の知恵
香川ブランド「オリーブ牛」が誕生するまで
オリーブオイルが搾油された後に出た果実やオリーブの葉がどうなるかご存知でしょうか?
実は東洋オリーブで大量に出る、絞った後の果実が、香川のブランド食材の生産に大きく役立っています。
オリーブが持つ栄養素の「オレイン酸」に注目したのは、小豆島で讃岐牛を育てている石井農場の石井正樹さんです。採油後も果実にはたっぷりとオレイン酸が含まれており、これを飼料として使えばいい肉牛を育てられる!と、思いついたのだとか。しかし、いろいろ試してみたものの、牛は全く食べてくれなかったと言います。
試行錯誤を重ねている時にオリーブの渋みが原因だと言うことに石井さんは気が付き、干し柿にヒントを得て、採油後の果実を天日に干してみることにしました。すると、オリーブの糖分がカラメルのような風味を醸し出し、牛が好んで食べるようになったのです。
その後、2010年に香川県発のブランド牛「オリーブ牛」として初出荷されると、みるみる評価は高まっていき、現在はレストランやホテルのシェフなどからも注目が集まる食材となりました。
石井さんは「オリーブを飼料にしてから、牛が美味しそうに飼料を食べて健康に育っています。そして、オリーブの飼料になってから牛舎の臭いが軽減され、見学に来る方が驚いています。これも全てエサのおかげだと思う」と話しました。
もう気が付いた方もおられると思いますが、東洋オリーブと石井農場は「循環型農業」が成立しています。採油後大量に出る果実を牛の肥料として活用し、オリーブ飼料を食べた牛から出たフンがたい肥となり、オリーブの栽培に役立っているというから驚きですね。
オリーブの葉を飼料に「オリーブハマチ」を養殖
一方、高松市では採油後の果実の他にも、「オリーブの葉」を使用したエサでハマチの養殖がおこなわれています。「ハマチの成長に支障はないのか、期待した効果は得られるのかなど多くの課題があったので、数えきれないくらいの試験や研究を行った」とオリーブハマチの立役者である嶋野文太さん(※写真の方ではありません)。
平成28年には香川県全体で25万匹が生産されるようになり、水揚げから食卓に並ぶまで変色や酸化しづらく美味しい「オリーブハマチ」が中・四国、関西、関東へ出荷されるようになりました。
酸化しづらいというのは、やはりオリーブに含まれるポリフェノールやオレイン酸の効果かも。
つまり、オリーブハマチやオリーブ牛はアンチエイジング効果が期待できる女性必食の「スーパーフード」といっても過言ではありません。
「平和」の象徴であるオリーブが香川県の漁業や農業、畜産を支え、人々の健康にも役立っているなんて感動!!