祝・日本の新しい世界遺産「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」

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2018/07/11

世界文化遺産の認定を受けて。長崎が向かう未来

今回の認定を受けたことは長崎と熊本天草の歴史背景から人類の平和を考えるきっかけに繋がる事、日本におけるキリスト教の歴史的遺産の認知と保護、そして世界から注目を受けることで興味を示し訪れてもらい「観光」という面で収益の増加に繋がり、遺産群の修復や維持管理を資金面で補えるという点では非常に大きなメリットになると思えます。

しかしながら、離島では人口減少による維持の難しさや、観光地化することで起きる周辺住民の日常生活の騒音や撮影によるストレス、観光客によるゴミの廃棄などの問題も懸念される点でもあります。

そして一番大切な事なのですが、今回の認定が一過性の流行りや盛り上がりではなく、長く後世に語り繋げる仕組みづくりが大切という点です。

キリスト教徒の幼馴染に聞いた、認定の本音

最後に保育園時代に一緒に教会横のグラウンドを駆け回っていた、キリスト教徒の幼馴染に今回の認定について話を聞いてみました。

「教会とか身近な存在で当たり前過ぎて、世界遺産って言われてもピンとはこない点もあるけど、キリスト教を信仰してきた事は誇りを持っても良いのだなと思う。

禁教令があって、キリスト教徒は迫害の時代に潜伏キリシタンとして信仰を守り続けたという史実を読むと、先人のような素晴らしい信仰心は私には無い。

けれども、その時代に生きた人々の考え生き方が認められたというのは確かに感慨深いかも。特に現代は、何の信仰も持たずに生きているって人多いじゃない。私も今はそんな感じだけど。今回の世界遺産になった事で、生きる道標の一つになる事を期待しているかなぁ。」

と、自分の信仰と今後の期待について話してくれました。

法王ヨハネ・パウロ二世は長崎の地で「2世紀に渡って密かに信仰を守り続けた先祖を持つ長崎の信者たちは福音の力に支えられて真を守り通したのです」と説教をされました。


ローマ法王のお言葉にも通じる点かも知れませんが、今回の推進に尽力した信者や多くの関係者の方々、そして県の垣根を超えた地道な活動を続けた結果、今回の「世界文化遺産」の認定となったのではないでしょうか。

キリスト教徒で無くとも長崎・熊本天草を訪れてみて、日本のキリスト教の歴史と人類の平和について再確認してみてはどうでしょうか。あなた自身にとって新しい発見があるかも知れませんよ。

【募金の案内】

世界文化遺産の構成資産を保護するための寄附はコチラから。
http://kirishitan.jp/information/donations

【参考資料】

長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産
http://kirishitan.jp/

長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産をめぐるウェブマガジン
https://christian-nagasaki.jp/

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長崎生まれ長崎育ち。現在長崎と中国上海を往復する生活。長崎を離れ長崎の魅力を再認識。愛する長崎の現地情報をお届けします。

 

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