爆竹の音がすごい。長崎の「精霊流し」が想像を超えてる華々しさ
1. 「精霊流し」のために市内の中心部の道路は一部封鎖
「精霊流し」の時間帯は交通規制を行って公共交通機関の経由も変更されます。
船が流される夕方17時頃から21時頃まで交通規制が実施され、道路の一車線が精霊船の専用通路に早変わり。警察官も交通整理に駆り出され街全体が「精霊船」のための仕様に変わり、街が一体となって「精霊流し」盛り上げます。
2. 箱買いの上を行くダンボール買いされる爆竹と花火
精霊船を流している間は、間髪入れずに爆竹や花火を鳴らしながら進むのですが、流す間に使う爆竹の量が半端ではなく、箱買いどころかダンボール買いする場合もあり、聞く所によると10万、20万と花火代に充てている所もあるそうです。
船を流している間に花火が足りなくなるのも問題。足りすぎた場合は「流し場」の近くで一気に鳴らしてオシマイという形で締めくくる方たちが見受けられます。
3. 深夜に今年の精霊流しの振り返りテレビ特番がある
精霊流しが終わった深夜の長崎ローカルテレビ局では、アナウンサーと長崎の著名な歴史学者などがペアとなり、今年の精霊流しの振り返りが放送されます。
放映時間は一時間程度の本格的な番組で、ベストビュースポットの一つである「県庁坂」で現場担当のアナウンサーが船を流す方たちにインタビューを行い、立派な船や特徴のある船をターゲットに取材して放送されるのが、長崎のお盆の夜の慣わしです。
また有名だった故人の船が映ると、「あの船は○○商事の○○社長さんの船ですねー」等のコメントが飛び交い、放送の途中では事前に取材した精霊船の制作現場のレポートを紹介。集まった親族のインタビューや精霊流しへの意気込み、親族一同で締めポーズを取るなど終始明るく湿っぽさが感じられない内容となっています。
テレビで放送される点、親族の終始にこやかな雰囲気からもお分かりかも知れませんが、現在の精霊流しは何とも楽しげに明るくお祭りのように故人を偲び、極楽浄土へ送り出す行事であるのも特徴的です。
4. 精霊流し終了と共に、深夜から始まる大掃除
翌朝のゴミの散乱を避けるために深夜から早朝に掛けて清掃作業が行われます。「流し場」に集まった「精霊船」は、以前は本当に海に流して燃やしていた風習もあったそうですが、長崎市内に関して言えば海に流さず廃棄されます。画像は市内から離れた場所の精霊流しですが、精霊船を筏のような物に乗せて、先導の船と紐でつなげ海に浮かべていたそうです。浮かべた後は海に流さず、回収して処理を行います。
精霊流しが終わる頃には爆竹や花火のカスが大量に道路に撒き散らされた状態になっています。この状態で翌朝を迎えると観光都市、長崎の景観が良く無いですし、巻き上がったホコリを吸うと身体にも悪く、市内を走る路面電車の車輪がスリップを引き起こす可能性もあり、深夜から早朝にかけて一斉に掃除が敢行され、翌朝の市内は前日にあれだけ爆竹を鳴らしていたとは思えない程、キレイな状態に完全復活を果たします。
ちなみに本職の清掃員だけで足りないので、臨時バイトも採用して行われるこの清掃作業。夏休みで時間を持て余した大学生などが短期バイトとして参加するのも恒例行事かも知れません。
どうでしたか?異国文化が色濃く残る長崎らしいお盆の行事「精霊流し」。なかなかお盆に長崎に足を運ぶことは無いかと思いますが、もし知り合いに長崎出身の方がいらっしゃった場合は、一声掛けて長崎のお盆の行事を案内して貰ってはどうでしょうか?また場合によっては初盆の精霊流しに参加させてもらえる事もありますよ。
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