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まるでドムが覗いているような、千葉の軍事遺跡「掩体壕」の正体

加藤越前
2018/09/15

工業団地側の一画にある旭緑地公園に、ピラミッド型をした大理石で出来た慰霊碑があります。この慰霊碑は、この香取海軍航空基地から飛び立ち、特攻隊として戦場に散華されたり、訓練により亡くなったりした将兵、そして空襲によって亡くなられた受難市民の御霊を祀るため昭和51年に建立されました。

また、この公園の奥には戦後アメリカから供与された海上自衛隊の航空機も展示されています。小さい公園ですが、平和について考えさせられます。

「あさひ鎌数工業団地」側にかつて航空基地の滑走路がありました。航空基地の滑走路は、長さ1,400m・幅100mの滑走路と、長さ1,500m・幅100mの滑走路がX字型にクロスしていました。

現在は、南東から北西にのびる1,400mの滑走路が、工業団地の中にある日清紡ブレーキ株式会社のブレーキテストコースとして利用され、ほぼ当時の形のまま残されていますが、フェンスや目隠しで囲まれて、外から見るのは難しい状態です。

その工業団地を横目に去り、道を真っ直ぐに進むと、かつて「椿海(つばきのうみ)」と呼ばれた湖水を干拓して出来た干潟八万石を現在でも垣間見ることの出来る、広大な田んぼの景色が眼前に広がっていきます。

そこには、緑の稲穂が美しく穏やかな田んぼと同化して、今やその風景に馴染んでしまったかのような、二つの曲面を持つ、一見柔らかいかたちの何かがありました。

しかし、よく近づいてみると、ゴツゴツしていて無機質なコンクリート打ち放しの構造物でした。

(かとう・えちぜん) 1977年生まれ、戦跡紀行家。歴史、建築物、時代劇に造詣が深く、これらのジャンルを探究している。

まるでドムが覗いているような、千葉の軍事遺跡「掩体壕」の正体
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