日本産は次元が違う…海外でも絶賛された日本ウイスキーの聖地を巡る

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2018/11/10

蒸留所を巡る旅その5:鹿児島県「マルス津貫蒸溜所」

津貫蒸溜所のニューポット image by: Bar Hoskey

最後は鹿児島県にあるマルス津貫蒸溜所を挙げてもらいました。こちらは、

<本土最南端のウイスキー蒸溜所>(本坊酒造株式会社の公式ホームページより引用)

とあるように、温暖な鹿児島県にある新しい蒸留所ですね。「マルス」と聞くと真っ先にワインを思い浮かべる人も少なくないと思います。本坊酒造は焼酎造りから始まって、「地ウイスキー」の先駆けとしてウイスキー造りを開始。山梨工場での生産を経て、長野県側の駒ケ岳のふもとにマルス信州蒸溜所を誕生させています。その一方で、同社は発祥の地である津貫にも平成28年、蒸留所を作りました。

image by: 本坊酒造

そもそも津貫(つぬ)とは、鹿児島県の中でも南部、鹿児島(錦江)湾を抱くように伸びた薩摩半島の南西部に位置する自然豊かな土地になります。しかし、ウイスキーが生まれたアイルランドやスコットランドとは異なる気候のように思えますが、この点を小久保さんに聞くと、

「まだ完成したばかりの蒸留所で、実際には3年以上熟成させた、ウイスキーとしての商品をまだ出していません。しかし、原酒(ニューポット)などは数量限定ながら販売した時期もあり、私自身も試飲会で原酒(ニューポット)を口にしました。とてもクリアな印象で、このニューポットがたる熟成によって、濃厚でウッディーな甘みを帯びていくと考えられます。暑い場所は熟成が早いという特徴もありますから、どのような味わいになるのか楽しみです」

といった回答がありました。暖かい土地には暖かい土地なりのウイスキーの魅力があるのですね。マルス津貫蒸溜所も、見学客を大歓迎しています。本坊酒造2代目社長が暮らした邸宅を利用したバーで、蒸留所限定のウイスキーが楽しめるとの話。鹿児島旅行で薩摩半島に訪れたら、ぜひとも足を延ばしたい蒸溜所と言えそうですね。

観光地情報
  • マルス津貫蒸溜所&寶常
  • 鹿児島県南さつま市加世田津貫6594
  • 電話番号
  • 無料(試飲は全て有料)
  • 定休日:12/29~1/3 ※臨時休業あり
  • 9:00~16:00
  • https://www.hombo.co.jp/factory/mars-tsunuki.html
  • 蒸溜所(自由見学):約30分、寶常(有料試飲や売店):約15分
Bar Hoskeyのカウンターに並んだウイスキーボトル image by: Bar Hoskey

いかがでしたか?今回は日本を代表するウイスキーの聖地を紹介しましたが、すべての蒸留所で蒸留所見学を行なっています。予約は必須となっていますが、近くを訪れた際はぜひ足を運んでみてはいかがでしょう。いつもとは違った味を楽しめるかもしれませんよ。

  • 取材協力
  • 小久保直人…1980年埼玉県川越市生まれ。東京ステーションホテルなどホテルでのバーテンダー業務を15年以上経験し、川越市に『Bar Hoskey』をオープン。同店オーナー。
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翻訳家・ライター・編集者。成城大学文芸学部芸術学科卒。富山在住。主な訳書『クールジャパン一般常識』、新著(共著)『いちばん美しい季節に行きたい 日本の絶景365日』。北陸のWebメディア『HOKUROKU』創刊編集長。WebsiteTwitter 

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