あえて中心地を離れる上級者の旅。自然豊かな京都「宇治」巡り
宇治を一望する絶景
宇治川から宇治神社を通って宇治上神社、「源氏物語ミュージアム」へと続く「さわらびの道」は、宇治の歴史を愛でながら歩く静かな散策路として、観光客はもちろん地元の方にも親しまれています。
平安時代や源氏物語に思いを馳せ、のんびりと散策を楽しむことができる定番コースですが、もうひとつおすすめしたいのが、途中、宇治上神社の脇から大吉山へ続くコースです。
「さわらびの道」のすぐ裏は山になっていて、生い茂る木々をわけるようにくねくねとした山道が続いています。そこはもうそばに街があることを忘れるような自然の中。頭上にこだまする鳥たちのさえずりに誘われるよう山を登って行くと、やがて一面が開け、宇治の町を一望する展望台へ到着します。
眼下に流れる宇治川や平等院を眺めながら、美味しい空気を吸って一休みというのも、なかなかオツな宇治観光です。展望台までは距離にして1.3kmほどなので、さほど頑張らなくでも大丈夫。
ヤマガラやシジュウカラ、クロジなど、林の中では野鳥の姿も多く、バードウォッチングも楽しめるというおまけつきなので、寺院仏閣めぐりはもうお腹いっぱいという京都慣れした人にも、とってもおすすめです。
宇治といえばスイーツもかかせない
宇治といえば日本でも有数のお茶の名産地としても知られる場所です。散策途中の抹茶スイーツというお楽しみも欠かせません。
宇治川沿いの素敵なお茶屋さんで川を眺めながらほっと一息入れたり、平等院へ続く参道沿いに並ぶおしゃれなカフェを覗いたりしながらそぞろ歩きを楽しめば、1日なんてあっという間。できればそのまま宇治に宿を取って、ゆったりとした時間を楽しんでみてください。
黄昏時、橋の上から眺める宇治川の風景や、暗闇を照らす石灯籠の明りが灯った小道を眺めていると、かつてこの地にはきらびやかな都があり、源平合戦が繰り広げられた地であることを思い起こします。
今では“歴史”と呼ばれて久しいそれが、平安時代にこの地で生きた人々にとってのそれぞれの“生活”であり“人生”だったと気付く。そんな旅ができるのも、喧騒とは無縁の宇治の夜だからこそです。
2018年の秋は、道先案内をしてくれる見返りウサギがひょっこりと現れてもおかしくない、そんな宇治の小道のお散歩に出かけてみませんか?
image by:Sean Pavone/Shutterstock.com
※掲載時の情報です。内容は変更になる可能性があります。