長崎に縁の深い外国人、グラバーとシーボルトのすごいとこ10選

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2018/12/01

3 30年後の執念の再訪と街に残るシーボルトの痕跡

日本から追放されたシーボルト。その後も日本に再び降り立つ策は無いものか?と四方八方に手を尽くしたようですが万策尽きる状態だったようです。しかし約30年後の1859年、幕府からの国外追放が解かれ念願かなって再び長崎の地にシーボルトは降り立ちます。

念ずれば花開く。執念の30年が実った瞬間でした。

シーボルト日本を離れる際に自身の門下生にお滝とイネのお世話を任せていたのですが、門下生に医学を習い日本人初の女医になったイネ、そしてお滝と再会を果たします。再会した最愛の女性お滝、自身と同じ道に進んだイネを見てシーボルトはどのように感じたのでしょうか。

再訪で宿泊した本蓮寺。

今回の取材でシーボルト記念館と鳴滝塾の跡地へ訪問してみましたが、「長崎くんち」が奉納される「諏訪神社」からシーボルト記念館へと続く道は「シーボルト通り」と名付けられています。私も小学校・中学校とこの道を毎週歩いて塾へ通っていた思い出の通りです。

また眼鏡橋で有名な中島川沿いには「シーボルトの桜」という紹介プレート、長崎県立長崎図書館近くにはシーボルトを支援した寄付者の氏名が刻まれた石碑と、長崎の街をテクテク探索すると至る場所にシーボルト縁の場所を見つけることができます。

観光地情報
  • シーボルト記念館
  • 長崎県長崎市鳴滝2-7-40
  • 新中川町(路面電車)
  • 大人100円、子ども50円
  • 休館日:毎週月曜、12月29日から1月3日
  • 9:00〜17:00(最終入館16:30)
  • 長崎市 シーボルト記念館
 

4 アジサイとシーボルトのセンチメンタルな関係

長崎のー愛は、おたーくさー」このフレーズを聞いてピンッ!と思った方はジゲモン(地元っ子)かも知れません。これ長崎のお土産の定番菓子「欧風銘菓おたくさ」のテレビCMのワンフレーズで、アジサイの花びらを型どったパイ生地のお菓子。

アジサイの学名は「ヒドランゲア・オタクサ」シーボルトが自身の妻のお滝さんの名前を付けた学名です。シーボルト、意外とロマンチストな人だったのかも知れません。ちなみに「お滝」を「オタクサ」と聞き間違えていたため学名が「オタクサ」となっています。愛しい人の名前を間違えるなんてお茶目なシーボルトです。

そんなシーボルトとお滝さんの愛のしるしである、アジサイの花びらをモチーフにしたお菓子「おたくさ」なのですが、長崎の夜の天気予報のCMなどで耳にする、地元っ子にはお馴染みのフレーズなのでした。


シーボルトが名付けたアジサイ。シーボルト記念館や横にある鳴滝塾跡のシーボルト銅像の周りにはアジサイの花が植えられ、30年近く離れ離れになったシーボルトとお滝さんが、後世はいつでも寄り添っていられるように演出されているかのようです。

先ほどご紹介したグラバー園内にも多くの花や木々と共に、アジサイの花が植えられているのでアジサイが咲き誇る6月はグラバー園、シーボルト記念館、眼鏡橋がかかる中島川沿いと色彩豊かな季節を迎えます。長崎市にはアジサイの花が似合うのです。

国外追放になったシーボルトもアジサイを見つめ、お滝さんを思い出したかも知れません。長崎を訪れるアナタも長崎に咲くアジサイの花を見て、シーボルトとお滝の人生を重ね合わせながら旅を楽しんで下さい。

関連記事:『銀河鉄道999』メーテルのモデルはシーボルトの孫?

5 ノーベル賞だけじゃない!今でも日本人を支え続けるシーボルト賞!

シーボルトは鳴滝塾を開き、多くの日本人門下生がシーボルトの医学や博物学としての知識を学び、その後の門下生たちは医師として学者として大活躍したのですが、世代は変わり1978年にドイツ連邦大統領が日本訪問した際に「フィリップ・フランツ・フォン・シーボルト賞」が設立されました。

年に一度、ドイツと日本の文化と社会のよりよい相互理解に貢献のあった日本人研究者に授与される賞で、受賞者は賞金の5万ユーロ(約650万円/18年11月レート)とドイツで1年間の研究滞在に招待されるVIP待遇!今でもシーボルトは日本人研究者に優しく微笑みかけているのでした。

如何でしたか?今回長崎に縁のあるグラバーとシーボルトにスポットを充ててご紹介してみました。彼らのような偉人がクレイジーに熱意を燃やし行動して作り上げた当時の施設は後世に残り、今でも長崎の生活の一部にそして場合によっては世界遺産や観光施設となって、観光都市である長崎を盛り上げているのです。

もしもグラバーやシーボルトが長崎に降り立っていなかったら?観光地長崎の雰囲気も日本の近代化の歴史も違っていたかも知れませんね。

今回参考にさせて頂いたシーボルト記念館にて販売されている「シーボルトの雑記帳」「シーボルト評伝」には、シーボルトの当時の生活の様子が紹介されています。

  • ※掲載時の情報です。内容は変更になる可能性があります。
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長崎生まれ長崎育ち。現在長崎と中国上海を往復する生活。長崎を離れ長崎の魅力を再認識。愛する長崎の現地情報をお届けします。

 

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