江戸情緒あふれる、いまもなお美しい日本各地の「宿場町」7選【2020】
江戸時代まで振り返ると、東海道や中山道といった街道があり、その街道には一定の区間をおいて設けられた宿場がありました。そしてその宿場を中心に栄えたのが「宿場町」です。
日本には、いまでもその宿場町の名残を残す町がいくつもあります。そこで今回は、ノスタルジーあふれる魅力ある各地の宿場町をご紹介します。
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目次
北国街道「海野宿」/長野県
長野県東御市にある北国街道 海野宿は、江戸時代の旅籠屋造りや、茅葺き屋根の建物と、明治以降の堅牢な蚕室造りの建物とがよく調和して伝統的な家並みを形成しています。
道の中央には用水が流れており、その両側に立ち並ぶ格子戸のはまった美しい家並みは、まさに歴史を感じさせてくれます。
また、海野宿の産土神である白鳥境内の社そうの中央にあるケヤキの木は樹齢700年を超えており、神社の歴史を物語ります。
中山道34番目・木曽路「奈良井宿」/長野県
長野県塩尻市奈良井にある中山道・木曽路「奈良井宿」は、日本最長の宿場町です。その長さは中山道沿いに南北約1km、東西約200mにわたっています。
南北両端には神社が、町並みの背後の山裾に五つの寺院(奈良井五ヶ寺)が配されています。そして、街道にそって南側から上町、中町、下町の三町に分かれています。
木曽11宿の中では最も標高が高く、難所の鳥居峠を控え、多くの旅人で栄えた宿場町は「奈良井千軒」と謳われました。NHK連続テレビ小説『おひさま』のロケ地として使用されたこともあります。
そして、現在も重要伝統的建造物群保存地区として、当時の町並みが大切に保存されています。
中山道42番目・木曽路「妻籠宿」/長野県
まずは、日本で初めて町並保存に取り組んだ町でもある、長野県の長野県木曽郡南木曽町にある中山道・木曽路の「妻籠宿」です。街道沿いにある江戸時代の家並保存、総面積も日本一を誇ります。
そのいち早い姿勢が評価され、1976年には国の重要伝統的建造物群保存地区の最初の選定地のひとつに選ばれています。
妻籠住民は保存をすべてにおいて優先させるために、妻籠宿と旧中山道沿いの観光資源(建物・屋敷・農耕地・山林等)について、「売らない」「貸さない」「こわさない」の三原則を貫くことを決めています。
現在も妻籠住民によって住民憲章は守られており、江戸時代の宿場町の町並みの風情が見事に保存されています。
- ・スポット詳細記事
- >>>「売らない・貸さない・壊さない」住民が団結した江戸の原風景を残す宿場町(掲載日2016/01/19)
中山道43番目・木曽路「馬籠宿」/岐阜県
馬籠宿は妻籠宿から馬籠峠を越えたところにあります。この街の特色は道路が南北に、急な山の尾根に沿っていることです。その急斜面の両側に石垣を築いて屋敷が建てられています。
石畳の両側にお土産物屋がならび、一般の家でも当時の屋号を表札のほかにかけるなど、史蹟の保全に力を入れています。
また、文豪・島崎藤村のふるさとであることでも知られています。小説『夜明け前』の舞台でもある馬籠宿は、木曽11宿の最南端、美濃との国境にあり、山の斜面に沿った全長600mあまりの「坂に開けた宿場」なのです。
ちなみに、馬籠宿はもともとは長野県に属していましたが、2005年の越県合併により、現在の岐阜県中津川市に編集されています。