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日本人はどんな宗教にも寛容/インドネシア出身
日本人はクリスマスを祝った数日後の大みそかと元旦・元日に、お寺や神社に出かけます。結婚式は教会で挙げ、葬儀は仏式で行う、「無宗教」な人が多いとも言われています。
かといって宗教的な発想を嫌い、科学的で合理的な思考を尊重する人が多いのかと言えば、また違います。そんな日本人の宗教に寛容なところに、インドネシア出身の方はとても素晴らしいと思ったのだとか。
インドネシアには多様な民族が暮らしているため言語も宗教もさまざまです。例えばキリスト教やヒンドゥー教、イスラム教など人によって信仰はいろいろありますが、暮らしている方の多くはイスラム教徒です。
日本は宗教に対してとても寛容で、どんな宗教を信仰していても暖かく迎え入れてくれます。そんな日本が私は大好きです。(インドネシア出身・30代)
文化庁の『宗教関連統計に関する資料集』を見ても、戦後から平成に至るまで、日本人の多くは一貫して「人間の救いに、科学の進歩と宗教の力が助け合うべきだ」と考え続けていると分かります。
こうしたどんな思想にも「柔軟な」姿勢があるからでしょうか。
世界最大のイスラム教国家であるインドネシア出身の人からは、「日本人とって異宗教ともいえるイスラム教にも、日本人はとても寛容」という意見がありました。この手の発言は、同じくイスラム教徒の多いマレーシア人からも聞いた覚えがあります。
一般社団法人ハラル・ジャパン協会の公式ホームページによれば、日本に暮らすイスラム教徒の数は約10万~20万人ほどだといいます。約1億人以上が暮らす日本の人口を考えると、国内のイスラム教徒は確実にマイノリティですよね。
しかし、他国から来たイスラム教徒の生活習慣や宗教上の決まりごとを日本人は大いに尊重してくれていると、インドネシア人は感じるといいます。
例えば空港には祈祷(きとう)室が設けられ、イスラム教徒を意識した外食レストランも、外国人観光客が多い観光地には目立ってきていると知人はいいます。
もちろん、身近な日本人が熱心に宗教を信奉したり、地域社会に異国の宗教がどんどん広まってきたりした場合、またその寛容な姿勢には変化が出てくるかもしれません。
実際に筆者の暮らす富山にモスクができたとき、その動きを警戒する地元住人たちの声を多く聞きました。幼なじみのチャーチプランター(開拓伝道者)は、日本にも宗教弾圧の歴史がいくつもあると教えてくれます。
それでも、異国から来てまた母国に帰っていく旅行者が、どのような宗教を信奉しているかについては、大いに寛容な姿勢を見せられるみたいですね。