サヨナラ、私の初恋。イタリア人と駆け抜けた青春のセンター街
サヨナラを悟ってしまった、ローマの休日
ナナ:それでも、見かけは結構うまくやっていたんだ、私たち。彼と生活をともにして、2カ月たったころ、彼の仕事が休みの日にふたりでローマに出かけたの。
スペイン広場ってわかる?あの階段のある…。
森山:わかる、わかる。「ローマの休日」でも出てくるあの広場でしょ。
ナナ:そう!あそこでね、まさにオードリー・ヘプバーンに憧れて彼とジェラートを食べてたの。ふたりで映画のシーンを再現したりしながら、楽しんでたんだけど…。
突如、警官がやってきて「いますぐ食べているものを捨てろ」っていわれて。
森山:え、ナゼ!?
ナナ:ローマって、スペイン広場や歴史的な建造物の前で飲食すること事態がNGなんだって。観光客がゴミを置き去りにしていくのが原因らしいんだけど。
ちなみに2019年からは座りこむのも禁止になったから、ほんと気をつけて。笑
森山:まじか…。災難だったね。
ナナ:しかも、彼に聞いたら「知ってた」っていうのよ。じゃあ先にいってよって。「いや、バレなきゃ大丈夫だと思ったし」なんていうし…。
楽しかったのに、その一件で現実を叩きつけられたような気分になって。他人に気を使えるひとなのに、基本的なルールをふとしたことで無視できるんだ…って。
森山:たしかに、それはめっちゃ気持ちが萎えるわ。
ナナ:それが結果的に「私と彼ってなんか違うのかもな…」って悟った瞬間だった。数日後、私は観光ビザが切れる前に日本に帰国しましたとさ、ちゃんちゃん。
森山:彼とはそれっきり、もう会わないまま…?
ナナ:彼、2年前にイタリア人女性と結婚したのよ。ちょうど私も同じ時期に、日本人と結婚して。同じタイミングで、それぞれ別の相手と結婚したってわけ。
だから、会ってもいないよ。でも、毎年2回お互いの誕生日のときだけ「Happy Birthday」のメッセージは送りあってる。これは、これは私と彼だけの秘密。
森山:いまでもつながってるんだ。
ナナ:なんだかんだ、特別な存在ではあるよね。たった数カ月だったけど、私にとっては、一生忘れられない思い出。あれは私の「ローマの休日」で、「初恋」だった。
たった数カ月の恋とはいえ、 渋谷で声をかけられたことがきっかけで、イタリアで生活をともにすることになるなんて…。人生って何があるかわかりませんね。
それにしても、イタリア人男性は料理上手だったり、几帳面な一面があったりと、意外に感じる部分も多かったのではないでしょうか。
今回のふたりはサヨナラに終わりましたが、愛さえがあれば、人種も国境もきっと関係ありません。
- 参考:トリップアドバイザー インバウンドレポート(PDF)
- image by:編集部
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