宇宙人が現れるまち?本物の宇宙船がある石川県「コスモアイル羽咋」
宇宙から帰還した旧ソ連製のヴォストーク帰還用宇宙カプセルが最大の目玉
同館が立地する場所は、JR七尾線羽咋駅の「裏側」になります。言い換えれば駅前のにぎわいが少ない東側にあり、周囲は住宅や水田などが目立つ鶴多町の敷地内に設けられています。
同じ羽咋市でも鶴多町の人口は約200人と穏やかな地区。この静かな一角に突き立つ米国製マーキュリー・レッドストーン・ロケットが、同館の大きな目印になっています。
「どうせレプリカの見世物でしょ」
と最初に訪れたときに筆者は正直に思いましたが、なんと屋外に展示されているロケットまで、(1段目と2段目は)実物なのですね。
円盤型の博物館に正面玄関から入るとロビーがあり、米国製ルナローバー(月面者)のレプリカが展示されていて、お土産売り場が設けられています。
その他、1階はシアター形式で200人収容可能な小ホール、研修室、和室、茶室、羽咋市立図書館、固定席896席の大ホールなどが空間を分け合っており、博物館の展示室は上階に設けられているため、エレベーターで向かいます。
展示スペースはバームクーヘンを半分にカットしたような弧を描く設計になっており、その中に実物、予備機、あるいは試作機などが並んでいます。さすがに迫力を感じる展示品は、旧ソ連製のヴォストーク帰還用宇宙カプセル。実際に宇宙空間に飛び出し、大気圏に再突入して地球に帰ってきた1人乗りの宇宙カプセルで、表面は大気圏への再突入で生じた焼け跡で覆われています。カプセルに乗って大気圏に再突入する、宇宙飛行士の孤独と恐怖が伝わってきます。
男性であればイメージしやすい乗り物が、マンガ『ドラゴンボールZ』でサイヤ人たちが地球に乗ってきたあのカプセル。マンガやアニメの中では、カプセルがそのまま地表に激突して、大きなクーレーターを作っていましたが、旧ソ連製のヴォストーク帰還用宇宙カプセルは違います。大気圏に再突入した後、宇宙飛行士がカプセルから飛び出し、カプセルと宇宙飛行士、それぞれパラシュートでゆっくりと落下してくるみたいですね。
公式キャラクターの宇宙人にも会える
同館はオープンが1996年。さまざまな努力で開業から20年を経過した今も、入場者数を維持しています。北陸新幹線が開業し、開館20周年を迎えた2016年は年間5万4千人の利用者を記録し、2017年は5万人、2018年は4万9千人となっています。
公式キャラクターである宇宙人サンダーくんは神出鬼没で来場者を楽しませていますし、館内1階にあるミュージアムショップで販売されるフリーズドライ製法の宇宙食は、お土産としても人気です。
とても小さな博物館ですから、2時間もあれば十分に満喫できます。羽咋は能登旅行の入り口にもあたりますので、能登周遊のドライブ旅行に出かける際には、ちょっと立ち寄って、旅の思い出を豊かにしてみてくださいね。
- 宇宙科学博物館コスモアイル羽咋
- 石川県羽咋市鶴多町免田25
- 0767-22-9888
- 入場料(宇宙科学展示室+コスモシアター)大人800円/子ども400円
- 休館日:毎週火曜日
- 8:30~17:00
- コスモアイル羽咋 公式サイト
- 参考
- 羽咋市(はくいし)住民人口 – 羽咋市
- 統計からみた石川県の観光 – 石川県
- プラネタリウム基礎調査2018速報 – 日本プラネタリウム協議会
- 『意外と知らない石川県の歴史を読み解く!石川「地理・地名・地図」の謎』(実業之日本社)
※掲載時の情報です。内容は変更になる可能性があります。