あのころにタイムスリップ。日本国内のノスタルジックな「廃線跡」6選
人口の減少、交通手段の変化などにより、鉄道路線の閉鎖、コースの変更などが各地で行われています。こういった経緯から使われなくなった鉄道線路跡(廃線跡)ですが、実はこれら利用したハイキングコースが日本各地に整備されているのです。
どこまでも延びる線路の跡をたどりつつ、沿線の自然を楽しむ廃線跡の旅。ノスタルジックで、タイムスリップ気分さえも味わえます。そこで今回は、日本国内で楽しめる全国廃線跡をご紹介します。
旧国鉄手宮線跡/北海道小樽市
往時は炭鉱からの石炭輸送、農業、酪農、漁業などの収穫を運ぶため、またそれらに関わる人々の交通手段として。北海道中に鉄道網が整備されていました。しかし、人口の変動、産業構造の変化、モータリゼーションの進展により、廃線が相次ぎ、現在も整理が進められています。
このため道内各所に廃線跡があり、遊歩道、ハイキングコースとして整備されているものが数多くあります。
「旧国鉄手宮線」は、小樽と札幌を結ぶ北海道最初の鉄道の一部として1880(明治13年)年に開通。区間は小樽市の南小樽駅と手宮駅を結んでおり、全長は2.8km。1980(昭和55年)年に廃線となりました。
現在は沿道に花が植えられるなど遊歩道として整備されていますが、運用時の線路がそのまま残されています。施設の一部は公園となっており、休憩所は路線内の駅舎であった色内駅を模したノスタルジックな雰囲気に。また、道沿いにはさまざまなお店が出ているので、のんびりお散歩にぴったりです。
旧標津線跡/北海道別海町
「旧標津線」は1933(昭和8)年に開業、1989(平成元)年に廃線となりました。遊歩道として整備されているわけではありませんが、鉄道記念公園内などに線路や枕木が残されており、往時をしのばせます。
そして別海村に訪れるなら、別海町指定文化財に指定されている奥行臼駅も見逃せません。木造の駅舎は、改札、待合室、切符売り場など当時の姿をそのままにしており、手書きの運賃表、路線図になども残されています。平成を超え、昭和にまでタイムスリップした気分になれますよ。
旧士幌線跡/北海道上士幌町
「旧国鉄士幌線」は帯広〜十勝三股をつなぐもので、1925(大正4)年に開通しました。その後、国鉄民営化にともない1987(昭和62)年に廃線となります。全長は78.3km(一部軽便鉄道区間を含む)で、この廃線跡に飛び飛びで、遊歩道が整備されています。
この廃線跡の最大の見どころは、14の「旧国鉄士幌線コンクリートアーチ橋梁群」です。川や渓谷わたる多くの橋がいまも残されています。
これらの橋は、材料となる砂利などの現地調達ができるため建設コストが低減できることに加えて、低減、周辺の自然の景観(大雪国立公園)を損なわず、調和を図るため、コンクリートが採用されました。このなかには現存する北海道最大の鉄道用コンクリートアーチ橋である第三音更川橋梁が含まれています。