クマに変装して新年を祝う。海外のユニークな年末年始の過ごし方

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2020/01/02

大みそかや正月にお金を燃やす/ベトナム

image by:Shutterstock.com

ベトナムも、お正月に独特の風習があります。ベトナムの場合は日本やフィリピンのように太陽暦(グレゴリオ暦)ではなく、太陽暦の旧正月を盛大に祝います。その旧正月に、冥器(めいき)を燃やすという特徴的な儀式が行われるのですね。

冥器(めいき)とは聞きなれない言葉ですが、簡単に言えば故人への捧げもの。

紙や竹で作ったお金や自動車などのレプリカを、死者のために燃やすのですね。旧正月の時期に家に帰ってきた祖先の霊が、再び無事に帰路につけるように、あるいはあの世で生活に困らないようにと、死者のためにお金などの財産を燃やすのだとか。

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この祖先を思う意識が市民の間で強まってきた現在、燃やす内容はどんどんエスカレートしてきていて、液晶テレビなどのレプリカ、高級バイク、自動車、一軒家などが故人のために燃やされるケースもあるといいます。

ベトナムの各市場には冥器専門店もあり、旧正月やお盆の時期などは、大変な売り上げを記録していると、ベトナムに暮らす日本人の友人が教えてくれました。

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ただ、この冥器を燃やすという習慣は、あくまでも中国から伝わった民間信仰で仏教に根差した文化ではないと、ベトナム仏教教会中央など各種の宗教団体、専門家たちが異議を唱えています。

死者のためにならないだけでなく、逆に火災、環境汚染の原因になっているのですね。

<多くの人が、自分の行為の意義を分からないまま無意識に大勢の人々に盲従して行っている。もしくは、その冥器を燃やして送っている時に亡くなった人が庇護してくれると盲目的に信じている。このことから、冥器の濫用を招いている。個人的な利益を貪る多くの行為も、このことから起こっている>(VietnamPlus紙より引用)

ただ、「正式」な宗教行事も、結局は信者の盲目的な行動に支えられている部分もあるはずだという反論もあるようです。なかなか根深い問題みたいですね。


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