クマに変装して新年を祝う。海外のユニークな年末年始の過ごし方
クマの毛皮をかぶって踊る?/ルーマニア
最後は東欧のルーマニア。ルーマニアといえば、『クマの洞くつ』で見つかったホラアナグマの化石から連想して、クマを連想する博学な人もいるかもしれませんね。
まさにこのクマ、ルーマニアでは人々に特別な存在として考えられており、なかでも正月を迎える祝いの「クマ踊り」は、とても大事にされているのだとか。
クマ踊りでは20人前後の人たちが集まってグループを作り、クマに扮(ふん)する人、クマ使いを演じる人、太鼓を鳴らす人などに分かれます。この団体は村から村へ練り歩くので、正月にはクマの毛皮をかぶった人々を、たくさん見かけられるのですね。
日本の地方ではこのところ、毎年のように人の暮らすエリアにクマが出没し、殺処分されるといったニュースが聞こえてきます。
特に日本では尊い存在として扱われにくい生き物ですが、ルーマニアでは真逆の存在で、特にクマの暮らす山間部ではなく、平野部の人たちに尊ばれているみたいですね。
他にはさまざまな仮面舞踏が行われ、クマ以外にもヤギの仮面、皮を身にまとい、踊りまわるような習慣もあるみたいですよ。
今回は、世界の年末年始の過ごし方を紹介しました。こうして眺めてみると、年末年始にはさまざまな楽しみ方があると分かります。
冷静に見れば、日本の伝統的な年末年始の風習も、世界の人々にとっては風変わりに見えるはず。その気持ちに立って、各国の文化を尊重しながら、違いを大いに楽しみたいですね。
- 参考
- 澤田治美監訳『世界のお正月百科事典』(柊風舎)
- 「世界幸福度ランキング2018」1位に選ばれたフィンランド、イメージ調査ランキングを発表-オーロラだけではない、サンタクロースやムーミン、サウナ発祥の地-
- 亡くなった人とつながるために冥器を燃やすというのは誤った考え方である
- ベトナム・ハノイの紙銭-比較研究の試み-Vietnamese Votive Money-A Comparative Study-芹澤 知広 SERIZAWA Satohiro
- ソマリア連邦共和国-外務省
- 鈴木紘司著『イスラームの常識がわかる小事典』(PHP)
- ルーマニアの熊踊り、山羊踊り-DTACルーマニア観光情報局
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