世界が憧れた歌川広重の浮世絵と「ファン・ゴッホ美術館」の名画たち
「ファン・ゴッホ美術館」は、オランダのアムステルダムにある美術館。その名に冠するとおり、フィンセント・ファン・ゴッホ(Vincent van Gogh)の作品を中心に、同時代に活躍したゴーギャンやロートレックらの作品も展示されています。
また、19世紀を中心とした近代美術の研究機関でもあり、世界各国のゴッホ作品の真贋鑑定を行うなど、世界的な権威としても認められている美術館です。
今回は、「ファン・ゴッホ美術館」に所蔵されている作品とともに、ゴッホの歴史をたどって行きましょう。
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年代ごとの貴重な作品がならぶ「ファン・ゴッホ美術館」
こちらは、ゴッホが画家になりたてのころに描かれた作品。「ジャガイモを食べる人々が、その手で土を掘ったということが伝わるように努めた」と、我が手を汚して働く人々への尊敬を表現しています。
ゴッホの絵画といえば、厚く塗った大胆な色使いや激しいブラシストロークのイメージが強いですが、オランダのニューネンに在住していたころは、このように暗い色調の重厚感のある作風だったため、いまとなっては「暗黒の時代」「薄闇の時代」などと称されることもあるそうです。
ゴッホは画家としての人生を終えるまでに約37点もの自画像を残しており、ゴッホ美術館にも各年代の作品が並びます。
ゴーギャンと共同生活をしていた南仏アルルの「黄色い家」。
たった2カ月の短い同棲期間でしたが、この間にゴッホは37点、ゴーギャンは21点もの作品を残し、この共同生活がお互いの創作活動に良い刺激を与えていたことがわかります。
このころは作品の中で黄色やウルトラマリンブルーなどが多用されていました。「夜のカフェテラス」や「ひまわり」などが描かれたのもこの時期です。
美術に詳しくなくても「この絵は見たことある!」というかたも多いのではないでしょうか。こちらは黄色い家のインテリアとして飾られていたそうですよ。
南仏アルルの運河に架かる橋。ゴッホはこの橋を題材に5枚の絵を描いており、ゴッホ美術館のほかクレラー・ミュラー美術館やヴァルラフ・リヒャルツ美術館などに所蔵されています。
ゴーギャンが家を出て行ってしまったあと、ゴッホは度重なる不安が原因でサン・レミの精神病院に入院することに。
幻聴や発作などの精神障害を患うも制作し続け、この期間に「星月夜」や、「キヅタのある下生え」などを描きあげました。
ゴッホは最期に、「荒れ模様の空の麦畑」「カラスのいる麦畑」「ドービニーの庭」という3点の大作を完成させます。
そのうち2点には、聖書において死の象徴として語られる「麦刈り」や「麦畑」、ゴッホが “死と再生“もしくは “蘇生” を意味して扱うモチーフである「カラス」が表現されていました。
死因は自らが撃った拳銃による銃創といわれていますが、目撃者がいないことから確証には至っていません。真相は絵画のなかに隠されているのでしょうか。