俺たちが日本一ばい。地元民がおすすめする、都内にある九州「アンテナショップ」

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2020/09/19

無料の足湯付き「おおいた温泉座」/千代田区有楽町

image by:徳永秀一郎

続いてご紹介するのは、大分県。全国的に有名なのはなんといっても源泉や湧出量日本一、「別府」や「湯布院」をはじめとする温泉です。私の故郷である北九州市からも近く、公私に渡り何度も訪問しました。

「公私に渡り」で思い出したのですが、仕事で大分県のある温泉旅館の売買に取り組ませていただいたことがあります。一般的な(温泉の出ない)土地の売買とは異なり、温泉法についても勉強しなければなりませんでした。

例えば、土地から温泉が湧くからといって、その土地を所有すれば誰でも温泉を使えるかというとそうではありません。温泉採取権という権利を別で譲り受け、譲り受けた日から20日以内に県知事に「譲り受けましたばい」と、届け出る必要があります。

また、そこを掘れば温泉が出てくるということが分かっていても、自分の土地であっても勝手に掘ることはできません。掘る前に「温泉を掘っても良かですか」と、県知事に許可を受けなければならないという決まりがあります。

そんな大分県ですが温泉のみならず、「かぼす」や「干ししいたけ」の生産量も日本一で有名です。そして、これはそれほど有名ではないかもしれませんが「石灰石」の生産量も日本一です。

石灰といえば、私たちが水道をひねると出てくる上水や排水した下水は、水をきれいにする過程で必要不可欠。また、毎年のようにニュースで口蹄疫や鳥インフルエンザなどの疫病の際にも、消毒に石灰が使われているのをご覧になったことがあるかもしれません。

もちろん私たちが住んでいる建物にも石灰は多く使われています。目立たないけど必需品。縁の下の力持ちといったところでしょうか。

image by:徳永秀一郎

さて、そんな大分県のアンテナショップは「おおいた温泉座」。東京都千代田区有楽町2丁目10-1東京交通会館ビル地下1階にあります。東京交通会館ビルには、大分県のほかにもいろいろな都道府県のアンテナショップが入居しており、アンテナショップ激戦区でもあります。

都心で大分の湯に癒される

image by:徳永秀一郎

そんな激戦区にある、おおいた温泉座の最大の特徴は無料の足湯です。コロナ予防のための健康観察シートを記入して、アルコールで消毒したら、レッツ入湯!


スタッフのかたがそのときの気温に応じて、湯の温度を調整してくださいます。取材当日は猛暑日だったので、少し低温にしてくださっていました。この足湯のお湯は、大分県別府市の温泉の成分を研究に研究を重ねて作った入浴剤のお湯だそうです。

東京に来て思ったのですが、都内は街の作りが一昔前のことが多く、私の地元の福岡市や北九州市よりもバリアフリー化が進んでいません。エスカレーターも一方通行だったりします。したがって駅や建物でも、わりと階段を上り下りすることが多いものです。

しかも「駅から徒歩5分…だけど駅自体が大きすぎて駅構内で徒歩10分」と、いうようなこともよくあります。

公共交通機関も座席が埋まっていることが多く、立ったまま移動することが続くと足が疲れがちです。ですから、この足湯は良いですね。本当に癒されます。都会のオアシスです。

私がまだ上京する以前、出張で東京に来ていたときは回数を重ねるごとに、その大変さからだんだん荷物が少なくなり、革靴ではなくスニーカーで移動するようになりました。それでもとても足が疲れていましたから、もう少し早くここを知っていればと思いました。

image by:徳永秀一郎

ここで足湯に浸かる際のタオルは自身で用意する必要がありますが、買うこともできます。その名も「毎日が地獄ですタオル」。有楽町周りに生息し、毎日を必死で働くサラリーマンが、社内で使用して無言の抵抗をするために買っていくとかいかないとか。

地獄の一丁目一番地

このタオルの「地獄」とは、もちろん全国的に有名な大分県別府市の「地獄めぐり」のことです。

約1000年以上前から、この地域では熱泥、熱蒸気、熱湯が噴出する箇所が多くあり、「あそこは地獄のような場所だ」ということから地獄と呼ばれるようになりました。ですから実際に、昔の地元の人はそこに近づかないようにしていたとか。

ときを経て、いまから約110年前の1910年。怖いもの見たさに「地獄を覗きに」やって来る人が多いことに気づいた大分県議会議員の宇都宮則綱氏が、コバルトブルーの美しい湯が湧出している「海地獄」の存在する不動産を持ち主から借りて遊覧施設を建設。そして入湯料として2銭(現在の貨幣価値にすると約400円)を徴収するようにしたことから、地獄の観光地化が始まりました。

これは商売になると見込んだ、「亀の井バス」の前身である亀の井自動車という会社の社長・油屋熊八氏。バスで客を地獄送りにするツアー、その名も「地獄めぐり」をスタートします。

このときバスに同乗して、七五調で地獄の水先案内人をする女性、村上アヤメさんが日本で最初の女性バスガイドといわれています。

国指定の名勝(文化上、鑑賞上価値が高いと国が認める文化財)となっている「海地獄」「血の池地獄」「龍巻地獄」「白池地獄」、そして「鬼石坊主地獄」「鬼山地獄」「かまど地獄」の7つをめぐるツアーが一般的です。私ももちろん参加したことがあります。

印象的だったのは「鬼山地獄」です。なんと、ワニがたくさん住んでいます。

鬼山地獄 image by:photoAC

子どもだったので、かなり本気で怖くなり「ここは本当に地獄なのかもしれない」と思った記憶があります。

なんでも1923(大正12)年に、日本で初めて温泉熱を使ってワニの飼育を開始したことが始まりだそうで、現在約80匹のワニが地獄の淵から鋭い視線でこちらを見ています。

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