俺たちが日本一ばい。地元民がおすすめする、都内にある九州「アンテナショップ」

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2020/09/19

大分県人はPR上手、商売上手

さて、この地獄めぐりツアーを考えた油屋社長。なんとか、もっと地元をPRしたいと考えた結果、やはり女性の力を借りたPRをすることにしました。1931(昭和6)年、女流歌人として既に名高かった与謝野晶子氏を地獄めぐりに招待しています。

その結果、「この世なる 豊の別府の海地獄 瑠璃の波より 白雲ぞ湧く」を始めとする美しい歌が詠まれ、それがメディアを通して発表されることで、ますます地元が世間に認知されることとなりました。そしてその魂は現代にも受け継がれています。

image by:徳永秀一郎

おおいた温泉座で足湯に浸かりながら、ぼーっとしていると、目の前に美女が現れ、にっこりと笑って「足湯に浸かりながら食べる『かぼすソフト』美味しいんですよ」とおすすめしてくれるではありませんか。一体何が起こったのか…とにかく、私は、気が付いたら財布を開いていたのです。

image by:徳永秀一郎

ご紹介いただいたのは、おおいた温泉座の名物、大分県のカボスをふんだんに使った「かぼすソフト」です。ミルクの濃厚なソフトクリームにさっぱりとしたカボスの酸味が効いて、とても美味しいです。

私自身、大分県にも何度も足を運びましたが「かぼすソフト」を食べたのは初めてです。これは夏の疲れも吹っ飛びます。

それにしても足湯といい、かぼすソフトといい、棚に並ぶ美容系のグッズといい、ほかのアンテナショップとは少し違うアプローチをしてきている印象のおおいた温泉座。

お話をうかがってみると、ほかの多くの都道府県のように自治体が運営するアンテナショップではなく、地元の一民間企業として「もっと大分県を全国にPRしたい」という気持ちで誕生したそうです。

というのも、こちらの「おおいた温泉座」は温泉の成分を研究するなかで美容に効果がある成分を発見し、それをもとに化粧品などを開発する大分県生まれの会社が母体なのだとか。実際に訪問して驚いたのは、スタッフが美女ぞろい…。「美容に効果が」という言葉にはもう説得力しかありません。

そういえば昔から「温泉地には美男美女が多い」なんて都市伝説がまことしやかに囁かれていますが、あれは真実であることを確信した瞬間でした。


しかし、その美しい見た目に騙されてはいけません。その美しさの裏には「大分を全国にアピールするんだ!」という熱い気持ちが地下から噴出する源泉のようにほとばしっています。

「どの都道府県にも負けたくない!」と、語るのはショップスタッフの堀内麻貴さん。温泉が好き。温泉といえば日本一は大分県。だからおおいた温泉座で働く。という筋金入りの温泉美女であります。

「大分は温泉というイメージが強いですが、カボスもあるし干ししいたけもあるし、全国に誇れるものがたくさんあります。その魅力をどうにか伝えられるように、日々工夫しています」(堀内さん)

その気持ちがこの「足湯」であったり「かぼすソフト」であったりするのですね。

image by:徳永秀一郎

「そのきっかけは…」とお話してくださったのは、店舗責任者の山内りささん。

「やはり、実際に体験してみて、味わってみて、思い出になって初めて『ああ、大分県って良いな』『行ってみたいな』となるはずです。なので私たちはそのきっかけとなりたいと思っていろいろと考えています」(山内さん)

大分は、地元を愛してやまない実業家と、大分を愛する女性たちの力が融合して、とてもユニークなPRを行っています。それはもはやひとつの伝統となっているのかもしれません。ぜひ、一度ここを訪れて、その伝統と熱量を感じていただきたいと思います。

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