暮らしをちょっと上質に。京都の職人技が息づくモダン雑貨・厳選7選
脈々と受け継がれてきた職人技が生み出す伝統工芸品は、ほかにはない輝きを放つ憧れの品。ですが、いざ手に入れるとなると、ちょっとハードルが高いものですよね。
今回はそんなかたにぴったりな、伝統の技を生かしつつ、日常にすっと馴染むスタイリッシュなアイテムをご紹介します。職人の手で丁寧に作られた小物たちが、暮らしをちょっぴり豊かにしてくれるかも。
手織りならではの風合いが生み出す凛とした美しさ
KUSKAの「リボンバレッタ」(与謝郡与謝野町)
折り紙をテーマにデザインされた立体的なフォルムが、見る角度によってさまざまな表情を見せる「KUSKA」の「リボンバレッタ」。糸作りから染め・織り・縫製まですベて手作業の手織り生地を使ったヘアアクセサリーです。脈々と受け継がれてきた伝統技術や作り手の思いまでもが一緒に織り込まれているバレッタは、身に付けると背筋がしゃんと伸びるような、凛とした美しさを纏っています。
「KUSKA」を手がけるクスカ株式会社の前身は、絹織物の産地として名高い丹後の地に1936(昭和11)年に創業した織元「楠嘉織物」。約300年前に京都・西陣から丹後に伝わった技法で織られる丹後ちりめんを生産していました。
洋服の普及によって生産量が減っていた最中、会社を継ぐことを決意したのは東京で異業種の仕事をしていた3代目。それまで持っていた機械をすべて手放し、手作業を重んじたアイテムづくりへと舵を切ります。
そして2010年に「昔の織り技法で今のライフスタイル」がコンセプトのブランド「KUSKA」が誕生しました。生地に空気を含ませながら手織りすることで機械には出せない温かみのある風合いを表現した、ネクタイやストール、スニーカーなどがそろいます。
丹後の美しい海を表現した色「丹後ブルー」をはじめ、色柄も種類豊富。どれも優しい質感とシルクならではの光沢が、さりげない品の良さを感じさせてくれるアイテムばかりです。
■■INFORMATION■■
KUSKA TANGO FACTORY SHOP
住所:京都府与謝郡与謝野町岩屋384-1
TEL:0772-42-4045
営業時間:10:00〜17:00
定休日:土日祝 ※そのほか、年末年始、GW、夏季休業あり
公式ホームページ
※「KUSKA&THE TANGO 東京店」が、2020年9月に東京都千代田区にオープン予定
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丁寧に織られたシルク地でワンランク上のコーヒータイムを
織道楽 塩野屋の「絹製珈琲フィルター 円錐」(亀岡市)
江戸時代後期、初代が京都・西陣に店を構えてからおよそ300年、絹織物の織元としてものづくりを続けてきた「織道楽 塩野屋」。2013年に亀岡市に拠点を移してからも変わらず国産の絹糸だけを使用し、受け継がれる職人技を生かして着物や帯、タオルや寝具といった絹製品を生み出してきました。
14代目に当たる当代は大のコーヒー好き。ネルドリップでコーヒーを楽しんでいたときに「コットンではなく、自分たちの織る反物でフィルターを作ってみたらどうだろう」というアイデアが浮かんだそう。それから試行錯誤を繰り返し、より美味しくコーヒーが淹れられる織り組織を考案。完成したのが絹100%の「絹製珈琲フィルター 円錐」です。
フィルターを一度水で濡らして絞ったら、軽く伸ばしながらドリッパーにセット。豆の山にお湯を一滴ずつ落としながらじっくりとドリップします。極細の糸で密に織られた布地は細かな豆の粉さえも通さないため、雑味の除かれたクリアな味わいのコーヒーが淹れられます。
また、紙のフィルターに比べてゆっくりとドリップするので、余すことなくコーヒー豆の旨味を抽出することができるのだとか。煮沸して保存すれば繰り返し長く使えて、エコなのも嬉しいですね。使い捨てではない道具で丁寧にコーヒーを淹れるひとときは、心をそっと穏やかにしてくれそうです。
■■INFORMATION■■
織道楽 塩野屋
住所:京都府亀岡市曽我部町南条宮田筋16-89 1階
TEL:090-3167-2284
営業時間:10:00〜17:00
定休日:不定休
公式ホームページ
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斬新なアイデアが光るスタイリッシュな竹アイテム
長岡銘竹株式会社の「京銘竹ボトルスタンド」「AROMA × BAMBOO アロマディフューザー“ゆり籠”」
1952(昭和27)年の創業以来、約70年もの間、京都、そして日本の街並みに欠かすことのできない竹垣を専門に作り続けている「長岡銘竹」。竹の特性を知り尽くした竹のプロ集団による確かな目利きや加工技術を生かし、金閣寺や銀閣寺、桂離宮といった名だたる名所の施工を手掛けてきました。
「長岡銘竹」の創業は向日市。その後京都市内への移転を経て現在は大山崎町に工房を構えています。粘土質な土壌や寒暖差がある気候が古くより良質な竹を育んできた京都・乙訓地方が、創業の地であり現在の拠点です。
近年、「昔は日本人にとって身近な存在だった竹が、再び生活の中に当たり前にある世の中に」との思いから、現代のニーズに合った竹アイテムを開発。その一つが「京銘竹ボトルスタンド」です。
先端の穴にボトルを挿すことで自立する画期的なスタイルは、食卓に驚きを運んでくれます。スタイリッシュなフォルムは、どんなインテリアにも馴染んでくれそう。火であぶって油を抜き、何日間も天日干しして乾燥させるという京都ならではの技法で作られた京銘竹・白竹をはじめ、胡麻竹や図面竹など表情の異なる素材から選ぶことができます。
また、「AROMA × BAMBOO アロマディフューザー“ゆり籠”」も、竹をモダンにアレンジしたアイテム。熟練の職人技で幅と厚みを抑えながら加工した竹ひごを「四海波」と呼ばれる美しい形に編み上げたアロマディフューザーです。籠の中には竹のカンナくずが入っていて、そこにアロマオイルを落とせば竹の繊維がオイルを吸い上げ、優しい香りをお部屋に広げてくれます。見た目と香りの両方に癒される、上質なリラックスアイテムです。
ご紹介したアイテムは、どちらもオンラインショップから購入可能です。
■■INFORMATION■■
長岡銘竹株式会社
住所:京都府乙訓郡大山崎町円明寺海道19
TEL:075-925-5826
公式ホームページ
※会社での販売はなし
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