知ってたらスゴいぞ…日本の不思議な「伝統行事」、その理由
「鏡もち」に込められた、たくさんの願い
お正月の準備には、さまざまな縁起物が登場します。門松では「神を待つ木」として松が使われたり、おせち料理では「まめまめしく働く」で黒豆、「喜ぶ」でコンブ、「めでたさを重ねる」で重箱が使われたりします。
正月の準備にしても、「苦」が連想される12月29日を避けるだとか、年末年始は語呂合わせや験担ぎのオンパレードだと分かります。その代表格として「鏡もち」も忘れてはいけません。
リビングくらしHOW研究所が2018年に行った「年末年始についてのアンケート」調査によると、若い世代ほど正月飾りやおせち料理、鏡もちなどを用意しない人の割合も多いみたいですが、40~50代の人は半数近くが用意していると分かります。
今年もきっとお正月の用意をするかたも少なくないはずですが、この「鏡もち」に隠された由来、ご存じですか?
そもそも丸いもちを2つ重ねるのは、「円満に年を重ねる」という意味からきています。「長く」伸びるもちを使う行為自体にも、「長寿」の意味が掛け合わされています。
てっぺんにかんきつ類のダイダイを置く理由は「代々」を連想させるため、家系の繁栄を願う意味が込められています。鏡もちの上には、とりあえず同じかんきつ類としてミカンを置けばいいという話ではないのですね。
鏡もちのが丸い理由には、鏡=ご神体という意味も込められているそう。その鏡(もち)に年神様が宿り、神様が去った後に、縁を切らないように木づちでたたき割り、鏡開きをして食べます。
飾るところから、食べるところまで、さまざまな要素に語呂合わせと験担ぎがあり、縁起を感じさせてくれる要素がいくつも詰まっているのです。
最近はオブジェとして鏡もちの形をしたインテリアも販売されていますが、由来を知るときちんと毎年本物の丸いもちを重ね、ダイダイと裏白、コンブにゆずり葉など、フルセットで用意したい気になってきますね。