シンボルも巨大に見える?かつて日本人男性が熱心に処理した「下の毛」事情
日本人のアスリートが海外に移籍したり海外の試合に出たりして、ロッカールームで着替えていると、周りの外国人選手からじっと裸を見られるケースがあるそうです。
何を見ているのかといえば、下の毛が「健在」の日本人選手に注目しているのだとか。
このところ欧米では下の毛の処理が一般的になっているとの話。しかし、この体毛の処理、特にデリケートゾーンの処理を人はいつからしているのでしょうか。
今回は『Plucked: A history of Hair Removal』などの関連書籍や日本エステティック評議会の情報を基に下の毛の世界史をまとました。
※本記事は新型コロナウイルス感染拡大時のお出かけを推奨するものではありません。新型コロナウイルスの海外渡航・入国情報および各施設の公式情報を必ずご確認ください。
サルから進化したとされる人間は、なぜ体毛が少ないの?
下の毛の歴史を振り返る前に、根本的な疑問を最初に明らかにしておいた方が良さそうです。そもそもどうして人間には、チンパンジーやゴリラのような体毛が密に生えていないのか?
この問題については随分と前から議論されていて『種の起源』や『人間の由来』を書いた進化論の提唱者・ダーウィンですら、はっきりした答えを出せていないみたいです。
そもそも体毛には、メリットもデメリットもあります。体毛があれば寒冷地では暮らしやすくなります。
一方で、飲食の邪魔になったり、衛生的な問題が生まれたり、寄生虫の発生リスクが高まることも。あのネアンデルタール人ですら石器で体毛を削り、処理していたと考えられる史料も確認されているのだとか。
ちなみに、ネアンデルタール人とは、出土した骨が全て化石化している旧石器時代の旧人で、ドイツのネアンデルタール(谷)にある石灰洞で、1856年に最初に発見された歴史があるそうです。4万年くらい前に絶滅したとされています。
旧石器時代に生きたネアンデルタール人は体毛を処理してきました。ノミ・ダニ・シラミなどの外部寄生虫には体毛の少なさが抵抗力を持ちます。毛の少ない皮膚を持つ個体が異性に選ばれる傾向も自然に高くなったと考えられるみたいです。
毛の少ない個体が選ばれる出来事が重なると、遺伝の関係でより毛の少ない子どもが生まれる確率が高まります。
ヨーロッパや西アジアで旧石器時代に生きたネアンデルタール人と、10万年前にアフリカで誕生し、世界各地に渡り歩いた現生人類ホモサピエンスの祖先も約5000年ほど同じ時代を生きました。似たような2つの集団は出会い、交雑も繰り返されます。