シンボルも巨大に見える?かつて日本人男性が熱心に処理した「下の毛」事情
外国人は日本人の毛に驚くことも?
とはいえブラジリアンワックスは苦痛が伴います。簡単にいえば、ワックスを塗り、固まった段階で毛をむしり取るのですから、
「赤ちゃんを産むときよりもひどい」
「持ってもいない情報を出せと拷問されているよう」
<東京堂出版『脱毛の歴史』より引用>
くらいの痛みが伴います。なにしろブラジリアンワックスを開発したブラジル人姉妹のひとりも、実際に自分でワックス脱毛を試みた際に、
<after about three hours of painful experimentation came out feeling fabulous.>(『BBC』のホームページより引用)
「3時間の苦しい体験の後に、爽快な気分になった」と語っているくらいですから。特に、あの毛が日本人のように硬い人種の場合は、各種のトラブルが続出します。
そこで比較的痛みの少ない医療レーザーやサロンでの脱毛が日本でもメジャーになっていきます。
痛みのストレスが大幅に軽減されると、衛生面、性的な好ましさのみならず、将来的な介護の必要性を想定して早々に脱毛するなど、あの毛の脱毛を試みる人にも広がりが見られるようになりました。
ちなみに、日本人の毛の処理に関するアンケート調査はたくさんあります。
挙げればきりがないのですが、ざっと調査結果に目を通すと、大まかにいってアンケート回答者の半数近くが何らかの形で処理している様子が分かります。そのなかでも、無毛まで脱毛している人は現状で1割程度だと分かります。
一方で、海外の脱毛事情について在日外国人女性に行った調査によれば、6割近くの人があの毛のケアを当たり前に感じていて、逆三角形・ハイジニーナ・ナチュラルの順に脱毛を実践していると明らかにされています。
数字だけを見ると、日本と諸外国で圧倒的に差があるわけではないみたいです。ただ、下の毛の脱毛を恥ずかしがっている日本人の意識に、在日外国人の人たちは少し驚きや違和感を覚えている事実もあるみたいです。
ドイツでは男女共に無毛が主流など、とりわけ脱毛が進んでいる国もあると一部の情報でいわれています。とはいえ、江戸時代には、男性を中心に庶民の間でも熱心に下の毛が処理された「先進国」が日本です。
長い歴史を振り返ると日本もなかなかの実績を持っています。そもそも、どこの毛をどのようにしていようが個人の自由。それでも産業界・広告業界が人の根源的な欲求をいまでも我々を刺激し、一種の圧力を日本人に植え付けようとしています。
脇毛やすね毛の処理に関していえば、その圧力はなかなか届いてきたと思います。あの毛にはまだまだ届いていないかもしれませんが、ちょっとした変化や何かのきっかけで一気に「右にならえ」となる気質が日本人にはあるように見えます。
もしかすると日本人のマインドも、この先一転するかもしれませんね。
- 参考
- レベッカ・M・ハージグ著・飯原裕美訳『脱毛の歴史』東京堂出版
- 脱毛の歴史 – 日本エステティック評議会
- 世界各国の女子に大調査!|マジっすか!? 連発のお国事情【前編】 – Oggi
- 女性の身だしなみ 平安時代からの脱毛史 – ジェイエステティック
- 広がる「無毛社会」男女年代問わず…でも毛はムダなの? – 朝日新聞
- ハイスぺ男女の「無毛率」は4割以上(43.7%)!年収1000万円以上、400万円の4倍と判明<都内在住20~40代男女600名へ調査> – 医療法人社団風林会 リゼクリニック
- 【VIO脱毛は海外では当たり前?!】在日外国人女性に聞いてみた「海外の脱毛事情」とは? – Web東奥
- 『知恵蔵』朝日新聞
- ネアンデルタール人絶滅の謎の解明に手がかり-ヨーロッパ最初のホモ・サピエンスの投射技術の解明-東北大学
- ネアンデルタール人と現生人類との交雑は、数十万年前から起きていた:研究結果-WIRED
- しみ、まぶた、毛深さなど身体的特徴に関連する遺伝子領域を新発見 東京女子医科大学-大学ジャーナル
- 『日本大百科全書(ニッポニカ)』小学館
- The women who invented the Brazilian wax-BBC
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