シンボルも巨大に見える?かつて日本人男性が熱心に処理した「下の毛」事情

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2022/04/09

戦後の「ビキニ」と「ブラジリアンワックス」が決定打に

image by:Unsplash

とはいえ、日本を含めて世界各国の人たちの体毛に関する基本的な関心は、脇毛・すね毛などが中心でした。

ノースリーブが流行したり、ストッキング不足で素足を出す人がアメリカで戦中に増えたり、ミニスカートが流行したりと、露出機会が増えるたびに人目に触れる部位の脱毛が熱心に繰り返されました。

あの毛に関しては一方で、さほど心配していなかったみたいです。なにしろ目立たないからですね。むしろ20世紀はその毛が、性的な魅力を持つ存在、性的な装備として武器になると世界中で考えられていたそうです。

戦後の1946(昭和21)年にビキニの水着が登場するなど、断続的に下の毛が敵視された時期はありましたが(江戸時代のふんどしと同じ理由で下の毛の脱毛が盛んになる)、1971(昭和46)年の調査が明らかにしているように、下の毛を処理する女性はアメリカで長らく一般的ではなかったとされています。

日本も同様です。1960年ごろには洋装が増え脇毛の処理が一般的になったといいますが、あの毛については温存派が主流でした。

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その世界の流れを大きく転換させたヒット商品が「ブラジリアンワックス」です。Jの名前で始まるブラジル人7姉妹によって運営されるニューヨークのサロン「Jシスターズ」がブラジリアンワックスを2000年代初頭にヒットさせます。

ファッション誌の編集者が誌面で取り上げたり、セレブリティがそのワックスを使っているとのイメージがメディアで打ち出されたりすると、下の毛をまるごと処理するトレンドがアメリカで生まれます。

2000年代後半になると、30歳以下の女性を治療する医師たちが、下の毛のないアメリカ人女性患者を多く診るようになったとの情報も『Plucked: A history of Hair Removal』に書かれています。

2010(平成22)年にアメリカで行われた大規模調査によると、18~68歳の女性のうち少なくとも1/4は、完全脱毛した経験があると回答するまでに至ります。


image by:Shutterstock.com

その背景には、衛生面・性的な好ましさ、

<I don’t feel ashamed when I’m in bed with men, I don’t feel shame when I go to the doctor, I feel cleaner>(『BBC』のホームページより引用)

といった気分(「男性とベッドで一緒になっても恥ずかしくないし、医者に診せる時も恥ずかしくない。清潔になった感じがする」)に加えて、脱毛ビジネスの拡大・コマーシャルの影響・メディアの注目などがあり、背中・VIOなど、いままであまり注目されてこなかった部位の体毛が修正のターゲットになっていきました。

もちろん同時期には、男性のあの毛もターゲットになっていきます。男性の場合には、シンボルを長く見せる効果が期待された一面もあるようです。

さらに、ブラジリアンワックスの流行によって大人向け映像作品の出演者が完全に処理し始めたため、その姿を見る頻度の高さも関係したんだとか。

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