魅惑のアンダーグラウンド。世界にある不思議な「地下空間」たち
酷暑から身を守る「地下ホテル」
オーストラリアの南オーストラリア州に「クーバーペディ」という街があります。南オーストラリア州とは文字どおり、オーストラリアの南に位置するです。
クーバーペディは南オーストラリア州のど真ん中、沿岸のアデレードから約856km離れた内陸の街で、グレート・ビクトリア砂漠の東端に位置します。地図を見るだけでも暑さが伝わるほど。
実際には日中50度など信じがたいくらいまで気温が上がる土地で、砂嵐もひどく、生き抜くための防衛策として、2,000人以上いる住人の半数はなんと古いオパール鉱山の跡である坑道に暮らしているとの話。
気候変動と温暖化が進んだ未来の地球では、最も合理的な暮らし方のひとつになるかもしれません。教会も書店も地下にあるみたいですね。
クーバーペディは冬も大変な冷え込みになるみたいですが、地下空間は年間を通じて25度くらいに保たれるため居心地がいいのですね。
そのクーバーペディの暮らしを追体験できるホテルが「Lookout Cave Underground Motel」です。1993年に誕生しました。
もともとは「Opal Capital of the World(世界のオパールの首都)」とも呼ばれるクーバーペディのオパール鉱山で働く人たちが1960年代~1980年代にかけて暮らしていた場所で、その住居のオーナーがリノベーションして、観光客向けの宿泊施設につくりかえたのですね。
<地下の部屋はむき出しの岩肌がそのまま壁になっています>(ナノオプト・メディア『新トンネル なぜなぜおもしろ読本』より引用)
ホテル内の部屋タイプもバラエティ豊かで、ひとり旅の旅行者から家族連れまで、いろいろな宿泊客を受け入れてくれる設計です。地下暮らし、トンネル暮らしともいえる体験を、人生で一度は体験してみたいですね。