魅惑のアンダーグラウンド。世界にある不思議な「地下空間」たち

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2022/10/28

地下にある美しい「美術館」

「アモス・レックス美術館」image by:Sino Yu, CC BY-SA 4.0, via Wikimedia Commons

何かの地下トンネルを再利用したというよりも、最初から意図して地下につくられたような施設も世界には点在しています。そのひとつが、フィンランドの首都ヘルシンキ中心部にある「アモス・レックス美術館」(旧・アモス・アンデルソン美術館)です。

一見すると、商業施設に囲まれた中庭のような広場の地表には大きくて緩やかな隆起といくつかの突起物、さらに煙突のような塔しか見えません。

しかし都市部の新たな空間の楽しみ方として、その地下には約2,200平方メートルのドーム型天井の展示スペースが広がっています。

image by:Stas Knop/Shutterstock.com

その隆起の高低差を思い思いに地上では楽しめる一方で、突起物の開口部を覆う窓を通してつながった地下にはドーム天井のスペースがあって、定期的に展示内容が変わるアートを楽しめます。

2018年8月にオープンすると、1週間で1万人以上の観光客が押し寄せる観光名所になったとの情報も。

また、地下空間の活用においてフィンランドは先進国なのかもしれません。

2012年と古いですが、フィンランド南部にロホヤという街があり、そこの地下約80メートルの石灰石鉱山に、ヘルシンキの人気レストランが期間限定でお店をオープン。連日予約でいっぱいになったというニュースもイギリスの国際通信社ロイターが報じています。

image by:yari2000/Shutterstock.com

青函トンネルや関越トンネルといった鉄道・道路トンネルなど分かりやすい例だけでなく、石屋川トンネル、旧逢坂山トンネル、柳瀬トンネル、笹子トンネル、丹奈トンネルなど、数多くのトンネルが日本にもつくられてきました。

大分の青の洞門、黒部第三発電所のトンネル、関門トンネル、大町トンネル、中山トンネル、東京湾アクアラインのトンネル部などもどこかで耳にした記憶があるはずです。


日本にもたくさんのトンネルがあり、一流の技術があります。地下空間がもっと観光目的で活用されるようになると、おもしろいかもしれませんね。皆さんもぜひ、お出かけの参考にしてみてください。

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翻訳家・ライター・編集者。成城大学文芸学部芸術学科卒。富山在住。主な訳書『クールジャパン一般常識』、新著(共著)『いちばん美しい季節に行きたい 日本の絶景365日』。北陸のWebメディア『HOKUROKU』創刊編集長。WebsiteTwitter 

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