高温多湿なタイで主流の「プリックリー・ヒート・パウダー」は涼しくなる魔法の粉?
暑い日が続いています。「早く秋になってくれないかな」と思っている人も少なくないと思いますが、秋や冬がない国の人たち、いい換えれば常夏の国に暮らす人たちは、どうやってこの暑さと付き合っているのでしょう。
今回は、日本人の観光客も多く、アジアでトップクラスの観光立国として世界中から人を集めるタイの人たちが日常的に暑さ対策で使うパウダーがあると聞いたので、取り寄せて調べてみました。
ちなみに理由は後述しますが、いまから出てくるパウダーを買って試してみようという話ではありません。あくまでも同じ発想を日本でも試してみてはという趣旨です。念のため、冒頭に断っておきますね。
※本記事は新型コロナウイルス感染拡大時のお出かけを推奨するものではありません。新型コロナウイルスの海外渡航・入国情報および各施設の公式情報を必ずご確認ください。
タイの暮らしとは切っても切れない涼感パウダー
タイといわれたら、何を思い浮かべますか?プーケットなどのリゾート地でしょうか?アユタヤやスコータイなどの遺跡でしょうか?Jリーグの川崎フロンターレに所属するチャナティップ選手を思い浮かべるかもしれませんね。
旅慣れた人であれば、現地で「ラーメン」の一般名称になっている「8番らーめん」を挙げるかもしれません。
なんであれ、赤道も近いタイは南国です。ルーイなどタイの北部の避暑地は別として、首都のバンコクなどに滞在経験の豊富な人であれば「暑い」が真っ先に思い浮かぶのではないでしょうか。
在タイ日本国大使館の公式ホームページによれば、
<高温多湿で年中蒸し暑く、日本の7、8月頃の気候が一年中続くと考えて良い。4~5月が最も暑く、日中は気温が40℃近くなる日もある。夜も蒸し暑いため寝苦しく、一日中冷房を必要とする日が多い>(在タイ日本国大使館のホームページより引用)
とバンコクの気候が説明されています。要するに、年中暑いのですね。
そんな土地に暮らす現地の人たちは、何らかの避暑の方法があるはず。そう思ってタイ人の知人にあれこれ聞くと、「プリックリー・ヒート・パウダー(Prickly Heat Powder)」というパウダーの名前が出てきました。
タイのヘルスケア製品のメーカーであるThe British Dispensary社の定番商品で、タイの暮らしとは切っても切れない関係みたいです。
日本でいえば、大日本除虫菊の「金鳥の渦巻(蚊取り線香)」だとか、池田模範堂の「ムヒ」だとか、国民的に知られている製品といった感じみたいです。
かたくり粉に似た手触り、ハッカあめのような香り
この「プリックリー・ヒート・パウダー」をタイの人たちはどのように使っているのでしょう。
簡単にいえば、1日に数回のシャワーのたびに体にすり込むといった感じ。成分のひとつにメントールが含まれているので、使用後には爽快感が得られるのですね。
実際に手に取ってみると、かたくり粉に似た手触りです。サラサラでありながら、粉の粒が細かい印象。成分表を見ると香料も入っています。
筆者が注文したクラシックタイプは、ハッカあめのような匂いがしました。ラベンダーの香りなども他に販売されているので、好みの香りを現地の人はチョイスしているみたいです。
そもそもこの「プリックリー・ヒート・パウダー」とは、いつごろから販売されている商品なのでしょうか。
なんと1892(明治25)年創業のThe British Dispensary社が1952(昭和27)年にリリースした商品で、タイに本社を置く企業の商品としては初めて国内外でヒットしました。
もともと、前年の1951(昭和26)年に、子どもでも安心して使える品質の高いベビーパウダーを同社はリリースしていて、そのノウハウを使い、あせも対策の商品として「プリックリー・ヒート・パウダー」を出したと同社の公式ホームページに書かれています。