ホンマはどっちが好きなん?大阪「キタ」「ミナミ」について地元民に聞いてみた

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2023/10/07

大阪に「キタ」「ミナミ」という2大エリアがあるのは、地元はもちろん旅行客にもおなじみ。『大阪でキタとミナミ、どちらが良いか?』という論争や答えなどは今に始まったことでなく、長年事あるごとに言われてきました。

大阪の2大エリア、キタ(左)とミナミ image by:PR TIMES

実際のところ、大阪を語るのに、単に「キタ」「ミナミ」だけでは片づけられないものがあります。

そこで今回は、大阪生まれ大阪育ち、現在も大阪に在住する筆者が、旅行情報サイト阪急交通社によるアンケート結果を踏まえ、地元民ならではの本音も交えた「キタとミナミの違い」やおすすめのエリアなどをご紹介します。

大阪の「キタ」「ミナミ」の知名度はどのくらいある?

大阪の「キタ」「ミナミ」の知名度をたずねた結果 image by:PR TIMES

大阪における「キタ」とは、大阪駅・梅田エリアのこと。一方「ミナミ」は、道頓堀、心斎橋、なんばなどのエリアをイメージするとわかりやすいです。

まずは、大阪の「キタ」と「ミナミ」に関し、この呼び方に関する知名度をたずねたところ、およそ4分の3が「知っている」と回答しました。

ちなみに、大阪府在住者では94%が「知っている」と回答。大阪にちょっと住んでいれば、『キタ? あぁ、梅田のあたりね』と、たしかに誰もが知っています。

「キタとミナミどちらが好き?」 全国と地元で回答が違う理由

大阪の「キタ」「ミナミ」のどちらが好きかたずねた結果 image by:PR TIMES

続いて、「キタとミナミ、どちらが好き?」という質問の回答。「ミナミ」29%、「キタ」22%と、ミナミに軍配が上がりました。

とはいえ、大差はありません。しかも「どちらともいえない」「わからない」が半数近く。キタとミナミ、それぞれどちらにも魅力がある一方で、不満もあることにほかならないと言えます。

一方、大阪府在住者に限って質問すると、「キタ」55%、「ミナミ」23%と圧倒的な結果に。


大阪の「キタ」「ミナミ」のどちらが好きか「大阪府在住者」に限定した回答 image by:PR TIMES

その理由として、「オシャレで落ち着いている」「洗練されている」「静かで大人の雰囲気がある」「治安が良い」などに加え、大阪駅が西日本最大のターミナル駅で「行きやすい場所だから」という回答も。

つまり、大阪に住んでいると、日常的には「キタ」を好む傾向にあります。

一方、全体の2割超しかいない、ミナミを好む人の理由。主に、「飲み屋が多く、美味しいグルメが多いから」「雑多な感じはあるが賑やかで楽しい」「ミナミの方が、浪速という感じがする。関西らしい感じがする」などが挙げられていました。

大阪らしさを求めるなら、圧倒的に「ミナミ」です。

「ショッピング」は〇〇、「グルメ」は〇〇とエリアで好みが違う

大阪の「キタ」「ミナミ」、項目別の好み image by:PR TIMES

さらに、「ショッピング」「グルメ」「観光」「大阪らしさ」の各ジャンルで、「キタ」「ミナミ」どちらが良いかという質問への回答がこちらです。

「ショッピング」では「キタ」がやや優勢。一方、「大阪らしさ」では「ミナミ」が圧倒的というわかりやすい結果に。

大阪のたこ焼きは道頓堀エリアでの食べ歩きが人気 image by:Shutterstock.com

大阪らしい観光が楽しめる場所、また大阪と言えば「くいだおれの街」と言われるグルメでも、「ミナミ」がキタより上です。

結果をおおよそまとめると、旅行客が楽しめるのは「ミナミ」、地元民が好むのは「キタ」と言えるでしょう。


大阪人が語る「ミナミ」の魅力、今は避けたい本音も…

大阪と言えばまず道頓堀、グリコの巨大看板が有名 image by:PR TIMES

大阪へ旅行に来るなら、まずは「ミナミ」がおすすめ。グリコの巨大看板など夜もギラギラに輝く道頓堀エリアが、最も大阪らしい光景が見られます。

お好み焼きやたこ焼きなど、老舗の人気店が多いのも「ミナミ」。大阪在住でも、お好み焼きやたこ焼きといえばキタよりミナミと、この界隈へ食べに行きます。

道頓堀は、夜になるとさらに賑やかに image by:Luciano Mortula – LGM/Shutterstock.com

近年、訪日客にも人気の「551蓬莱」の豚まん、「りくろーおじさん」のチーズケーキ、黒門市場などもミナミにあります。ミナミからもう少し足を伸ばせば、通天閣があるエリアはさらにディープ。「串カツ」が有名です。

さらに、高さ300mの「あべのハルカス」がある天王寺もミナミから近く、実は地元民にとって『日常使いなら、なんば・心斎橋より天王寺のほうがコンパクトで、買い物も交通アクセスも便利』という一面も。

コロナが収束した現在は、外国人旅行客が増えてさらに混雑するミナミを、地元民があえて避ける傾向も感じられます。

ここ数年で一気に変わった「キタ」は大阪らしくない?

JR大阪駅(中央)とその周辺は開発が今も進む image by:PR TIMES

一方、「キタ」は近年、新たな開発がどんどん進行中。

JR大阪駅直結の商業施設「ルクア」「ルクアイーレ」や「グランフロント大阪」、ヨドバシ梅田にレストラン・カフェやショップ、ホテルなどが入る「LINKS UMEDA」も開業しました。JR大阪駅の南側にある阪急百貨店や阪神百貨店なども、リニューアルや建て替えが進んでいます。

数十年前のキタは、地下に立ち呑み屋があったり、地方の名産品を売るお店が並んでいたりと、ローカル感がまだありました。

ヨドバシ梅田のビルは商業施設に。大阪駅との連絡通路も image by:beeboys/Shutterstock.com

しかし、大阪駅が今の駅舎にリニューアルされ、ヨドバシ梅田がオープンしたころから、一気に「洗練した街」へ変貌した感があります。あえて言うと、キタは「大阪らしさ」に乏しいエリアとなってしまいました。

大阪市内や大阪府北部の「北摂」地域に住む人々にとって、ゴチャゴチャした街のミナミより、キタのほうが居心地よいのも確か。

また、京都や神戸、姫路、さらに豊岡、鳥取、福井などの直通列車が大阪駅発着のため、地方在住者にとっても便利。東海道・山陽新幹線の新大阪駅も、JRだと1駅です。

旅行客はミナミがおすすめ、地元民が日ごろから心がけることは…

大阪市内の移動は地下鉄が便利 image by:Tanjala Gica/Shutterstock.com

キタとミナミと言っても、大阪市内の中心を走るメイン路線、大阪メトロ御堂筋線でたった3、4駅と、10分ほどの距離です。すぐに着きます。

筆者は、生まれは大阪市南部の住之江区で、その後もほぼずっと大阪府南部。どちらかと言うと、ミナミのほうが慣れており、愛着もあります。

心斎橋筋商店街。訪日客向けのドラッグストアが増えた image by:Surachet Jo/Shutterstock.com

先述した通り、キタは2000年ごろを境にガラリと変わり、便利になった一方で、大阪らしさがどんどん消えていきました。

地元民は「買い物」「グルメ」「百貨店」など目的別に、日ごろからキタとミナミを使い分けています。『物価はミナミの方が安く、庶民的な店が多い』『贈り物をするなら阪急百貨店の包装紙が良い』などといった、地元ならではの事情も。

好き嫌いなど細かいことにこだわらず、「良いとこ取りする」のも大阪人の気質です。

  • source:PR TIMES
  • image by:Unsplash
  • ※掲載時の情報です。内容は変更になる可能性があります。
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ジャーナリスト・フォトグラファー。飛行機・空港、旅行、ホテル、グルメなどをメインに、国内外で取材、撮影などを行う。雑誌やWEB向けの記事、写真や旅行などのセミナー講師も務める。元全国紙記者。大阪在住。

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