今なんて言った?外国人がシレッと使っていた「日本語」
日本は現在、すさまじい人気です。どこの国へ行っても、現地で出会う人たちは「日本に行きたい」「今、皆が日本に夢中」と言います。そのくらい日本への関心が高いのですから、日本語の認知も高まっているはず。
TRiP EDiTORでもかつて、そのまま海外で通じる日本語を紹介しました。「変態」「引きこもり」「残業」などの意外な言葉が紹介されていましたね
このランキングで紹介された言葉以外にも通じる日本語はまだまだ存在します。現に、海外取材で筆者が出会う外国人が、意外な日本語をそのまま使うケースを繰り返し目撃しています。
そこで今回は、ここ2~3年で出会った外国人たちが会話の中で使っていた「印象的な日本語」をいくつか紹介したいと思います。
〇〇さん(SAN)
人の名前を呼ぶ際の「〇〇さん」の「さん(SAN)」。日本人同士では当たり前ですが海外の方にも、それなりに認知度が高まってきたという印象があります。つい先日、中国人、韓国人、ベトナム人、台湾人の人たちとオンラインで会話をする機会がありました。
共通言語として英語で話したのですが、私を含む日本人に対して「〇〇さん」という呼び掛けを多くの外国人が自然に使っていました。もちろん現状で「さん」を知っている外国人は、比較的日本との関係が深い人たちに限られているはずです。
以前、スコットランド人シェフと話している時にも「~さん」という呼び方を聞きましたが、そのスコットランド人も日本食にかなり興味関心を持つ方でした。
ただ、アンホルト・イプソス国家ブランド指数(NBI)など、日本の印象を聞く各種の調査で日本は、世界一の評価を現在受けています。諸外国に出かけると、日本に対する異様なまでの関心の高さを感じます。
その意味で言えば「~さん」の認知度も今後は、高まっていくかもしれませんね。ちなみに、上述のスコットランド人シェフのメールは「Dear Sakamoto-san(※Sakamotoとは筆者の名前)」でいつも始まります。
KAMEHAMEHA&TORIYAMA AKIRA(鳥山明)
日本語というよりもある人物がつくった「日本語」が世界に広まっているという話。
フランスのボルドーに最近、仕事で行く機会があり、20歳前後の若者たち10人ほどと1時間くらい語り合う時間がありました。現地の職業訓練校を訪れた時、外国語クラス(英語)の授業に招待され、話をする機会があったからです。
その時、日本文化の話になり、漫画の話で盛り上がり、「鳥山明」の訃報(ふほう)を全員が知っていると聞いて驚いてしまいました。
鳥山明の偉大な作品群のおかげで「かめはめ波」「気功砲(ドラゴンボールの登場人物・天津飯の必殺技」「気円斬(同じく同上人物・クリリンの必殺技)」などの「日本語」も、若者たちが口々に披露してきます。
鳥山明に関しては、少なくとも筆者が話をしたフランス人の範囲内においては、大人たちの間でも認知度が高く、村上春樹や坂本龍一などの文化人の並びで圧倒的な評価を得ている感じでした。
純粋な日本語とはちょっと違うかもしれませんが、作品名や作者名のみならず、作中の言葉まで認知させるほどの傑作を残した鳥山明さん。本当にすさまじい偉人ですよね。
海外の人たちとのコミュニケーションを経て、改めて日本のアニメや漫画の影響力が凄まじいものだと再認識させられました。時代が進むとともに、さらに多くの日本語が海外にそのままの形で伝わっていくことでしょう。