海外でも反響、日本発祥の「森林浴」を楽しむ外国人観光客が増えるワケ
今年のGWは「森林浴」の旅もいいかもしれない。
アメリカで大人気となり、世界に広まったインド発祥の「ヨガ」や「マインドフルネス」。近年、この次にブームとなりそうと注目を集めているのが「フォレスト・ベイジング(Forest Bathing)」というアクティビティです。
実はこれ、日本の「森林浴(shinrin-yoku)」が発祥なんだそうです!
でも、なぜいま、森林浴に注目が集まっているのでしょうか?今回は、海外も注目する「森林浴」の魅力に迫りたいと思います。
そもそも「森林浴」ってなに?
「森林浴」とは、精神的な癒しを得たり健康のために、森林内に入り、散策やレクリエーションを行うことです。
この「森林浴」という概念は、じつは日本発祥です。
1982年に林野庁が発表した「森林浴構想」がはじまりです。この構想では、「森林の中には殺菌力を持つ独特の芳香が存在し森の中にいることが健康体をつくる」と考え、森林におけるレクリエーションを楽しみながら健康なからだづくりをしようと呼びかけていました。
森林に入る…と聞くと、山登りをイメージするかもしれませんが、高低差のない平坦な散策路を歩いたり、簡単なレクリエーションを行ったり、その場で横になりゆっくりするだけでも、効果を得ることができます。体力に自信のない方にもおすすめです。
そして、わざわざ森林まで行くのはちょっと…という方には、まずは樹木がたくさん生えている緑地公園や並木道などを散策することから「森林浴」をはじめてみるのもおすすめ。
上り下りがゆるやかな散策道が多いため、体力に不安がある方にもオススメ。
がん対策に効果的?! なぜ森林浴が今、注目されてるのか?
身も心もリフレッシュできる森林浴ですが、この効果をもたらすのは「フィトンチッド」と呼ばれる樹木が発散する香り成分で、樹木や植物が有害な物質等から自分の身を守るために発散している成分と言われています。フィトン(植物が)+チッド(殺す)と名付けられており、少々恐ろしく感じますが、この成分のおかげで空気が浄化され、森林内が清々しい空気で満たされているのです。
また、このほかにも健康への効果が科学的に証明されています!
今から10年以上も昔の平成17年に森林総合研究所が発表した研究成果では、森林浴によってNK細胞が活性化されることが世界で初めて明らかになりました。この研究では、ストレス状態にある東京都内大手企業に勤める会社員に対して、3 日間の森林浴を実施。その結果、NK 細胞が放出する3種類の抗がんタンパク質がいずれも増加したことを確認。NK 細胞の機能が高まれば、生体の抗がん能力も高まると考えられており、がん対策に効果的であるということが科学的に検証されました。
効果その①
森林浴をすると、都市部に比べてリラックスしたときに高まる副交感神経活動が昂進し、ストレス時に高まる交感神経活動が抑制される
効果その②
森林浴により、代表的なストレスホルモンである(唾液中)コルチゾール濃度が低下する
効果その③
森林浴によって、血液中のがん細胞を自滅させるNH(ナチュラル・キラー)細胞が活性化され、がん対策に効果的である
このように、森林浴は精神的な癒しを得るだけではなく、科学的にも健康に効果的だと考えられます。
海外でも注目「Shinrin-yoku(Forest bathing)」