悪僧の伝説が残る、福井県「東尋坊」で高さ25mの絶壁を散歩
福井県の観光地と言えば、どこを思い浮かべますか? 「どこも……」という正直な声もあるかもしれませんが、ミステリー作品などで繰り返し舞台になる絶壁の東尋坊が真っ先に思い浮かぶ人も少なくないと思います。そこで今回は北陸に在住する筆者が、福井の絶景の観光スポット、東尋坊を紹介したいと思います。
ビル6階ほどの絶壁の上を散歩できる景勝地
東尋坊とは不思議な名前の観光地ですが、国の天然記念物にも指定され、渚100選にも入る福井屈指の観光地。何があるのかと言えば、端的に言って日本海にそそり立つ高さ25m前後の絶壁が楽しめます。福井の名所、城跡、社寺、山川を記録した江戸時代の書籍『帰鴈記』にも、
<断崖聳へて屏風を立てるが如し>(『帰鴈記』より引用)
と形容されるほど。高さ25m前後はビルで言う6階ほどで、東京の表参道ヒルズと同じような高さですね。
さらに東尋坊の場合は、絶壁が海岸線に1kmほど続き、しかも観光客は柵も何もないがけの上を、自由に歩けるようになっています。荒々しい景観は見ごたえたっぷりで、西村京太郎著『恐怖の海東尋坊』、『寝台特急「北陸」殺人事件』、二階堂黎人著『東尋坊マジック』、川崎貴人著『東尋坊伝説殺人事件』などの作品の舞台にもなりました。同地は作家たちの想像力をもかき立てる、強烈な何かがあるのですね。
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