外国人がわざわざ訪れる、長野県「白馬」が注目を集める理由
外国人が押し寄せる日本のスキー場と言うと、少し詳しい人であれば北海道のニセコを思い浮かべる人が多いと思います。しかし長野県の白馬(はくば)村も近年、オーストラリア人を中心に外国人の旅行者数が劇的に伸びており、外国人経営の飲食店なども目立って増えてきています。
白馬村の中でもエコーランドやみそら野と呼ばれるエリアは、美しい緑の間に雰囲気のあるお店の出店が特に相次いでいて、もはや第2のニセコ状態になっていると言えるかもしれません。
そこで今回はどうして白馬が近年人気なのか、白馬(しろうま)岳などの北アルプスを挟んで白馬の「逆側」の富山県に暮らし、何度となく白馬方面に出かけている筆者が、その理由を調べてみました。
日本人の記憶に刻まれる白馬のジャンプ台
「白馬」と聞くと、何を思い浮かべますか?まず、「Hakuba」という響きがいいですし、漢字を使う日本人からするとロマンティックな字面もいいですよね。
そもそも白馬とは、長野県の北西部に位置し、新潟県の糸魚川市、富山県の朝日町や黒部市と県境を共にする村になります。
筆者の妻は子どものころ家族で応援に出かけたと言いますが、白馬村のスキー場は1998年の長野オリンピックの舞台にもなっていましたね。ラージヒル団体の競技に日本代表として出場した原田雅彦選手が、大ジャンプを終えた直後に「ふなき~」と祈るように最終ジャンパーの船木和喜選手の名前をテレビカメラの前で口にした、あのジャンプの舞台になります。
冬季五輪の会場になる点を見ても分かるように、白馬村には白馬八方尾根、白馬岩岳、白馬五竜、Hakuba47などのスキー場が白馬岳の東側斜面(山すそ)にいくつも開発されていて、昭和の終わりから平成の初めにかけて、スキー客で大いににぎわった歴史があります。
その後はスキーブームの終えんとともに白馬の観光地利用者数も激減し、飲食店や宿泊施設の閉店も相次ぎました。しかし、2005年あたりから年間3万人近い外国人旅行者が訪れるようになり、右肩上がりを続けて2016年は年間8万人近く、2017年は11万人以上の外国人が白馬に遊びに来ました。
なかでも特出すべきはオセアニアからの旅行者の多さ。アジア、ヨーロッパ、北米などの旅行者を圧倒しています。
白馬は隣接した小谷村、大町市のスキー場10カ所が一緒になってHAKUBA VALLEYと称し、国際スキーリゾート地を目指してリストチケットの共通化などを進めています。昨シーズンの外国人スキー客は3つの自治体の合計でなんと33万人ほどに達しました。その人気ぶりが、数字でも伝わってきますよね。