わざわざ食べに行きたい京都・福知山のB級グルメ「ゴム焼きそば」って?
福知山市のB級グルメ「ゴム焼きそば」ってご存じですか?「食べたことはないけど、聞いたことはある!」という方も多いのではないでしょうか。
わざわざ遠方からも食べに訪れる人も多いゴム焼きそばって、どんなところが「ゴム」なんでしょう?その秘密を探るべく、KYOTO SIDE編集部は福知山のまちを訪れました。
巨大な「ゴム焼きそば」の看板が目印!駅北の人気店『粉もの屋』さん
「ゴム焼きそば」の名前のヒミツ
まず訪れたのが、JR福知山駅北口から歩いてすぐの場所に建つ『粉もの屋さん』。早速、店内にお邪魔してみると…、
「いらっしゃーい!待ってたよー!」と、店主の植村さんが笑顔でお出迎え。
「お、これはもしかして、噂の『ゴム焼きそば』じゃないですか。早速作っていただいて、どうもすいません!わざわざご準備していただいてありがとうござ…」
「いやいや、違う違う!ここの焼きそばは、麺自体がこんな色をしてるんよ!」
「ええ、そうなんですか!」と、いきなり“麺”食らった編集部。茶色い理由は、麺の製造工程に秘密があるのだとか。まず、中華麺をせいろで蒸した後、水洗いをして、さらにもう一度蒸す。
この手間を加えることで、麺が化学変化を起こして茶色に変わり、もっちりとした弾力が生まれるとのこと。その茶色い見た目と弾力がまるで「輪ゴム」のように見えることから、「ゴム焼きそば」と命名されたそうです。
『神戸焼』が発祥の広東風麺
この麺が焼きそばに使われるようになったのは、今から約70年前のこと。福知山市内にあるお好み焼きの店『神戸焼』の先代が、戦時中に中国で食べた広東麺の味が忘れられないと中国より帰国後、市内の製麺所と共同で研究・開発し、店で提供したのが始まり。以来、市内の一部のお店でもこの広東風麺が焼きそばに用いられるようになりました。
駅北地域活性化のために名付けられた『ゴム焼きそば』
福知山の人に愛され続けてきた広東式麺の焼きそば。実は、「ゴム焼きそば」と呼ばれるようになったのは、ごく最近のことなんだとか。
いまから約10年前、福知山駅前商店街振興組合理事長でもあった植村さんが、駅北地域の活性化に繋がる名物にしようと「ゴム焼きそば」と命名。他のお店を説得して協議会を立ち上げ、福知山のB級グルメとしてPRを始めたのが、世に広まるきっかけでした。
インパクトのあるネーミングとともにゴム焼きそばの存在がTVや新聞、ネットなどで話題に。今では、京都や大阪はもちろん、遠く関東からも食べに訪れる人が現れるようになり、ゴム焼きそばは福知山を代表するグルメとなりました。
2つの味を楽しめる『粉もの屋』のゴム焼きそば
ゴム焼きそばは、店によって味付けが異なっていて、『粉もの屋』さんの場合は、幅広い世代に喜ばれるイタリアンテイストが特徴。実際に食べてみると、モチモチとした食感は、まさに「ゴム」!(食べたことはありませんが…)。
食べ応えもしっかりあって、笑みが止まりません!店自慢のトマトソースは、味にコクをプラスして、さらにおいしさがアップ!ソース焼きそばが苦手という方も思わずペロリと食べられちゃう一皿です。
ぜひ福知山に来て、ゴム焼きそばを食べてみて!
市外への出店や商品化などの話がたくさん来たものの、「全て断りました」と語る植村さん。「ぜひ福知山に足を運んで、ゴム焼きそばを食べながらお店の人とのふれあいも楽しんでほしいですね」と、優しい笑顔で語ってくれました。ありがとうございました!
- 粉もの屋
- 京都府福知山市駅前町386-2
- 0773-22-0032
- 定休日:火曜
- 平日10:00~14:30/土日祝9:30~15:30