愛し合ってるのに、結ばれない。台湾で旧暦7月に結婚してはいけない理由
愛し合うカップルたちのかたちは、実に多種多様。正解はひとつではなく、相手を愛する心と思いやる気持ちがとても重要です。しかし、世界中のカップルたちのなかには、どうしても結婚できないときがあるそう。
例えば、親日として知られ、日本からも多くの旅行客が訪れている「台湾」では、結婚してはいけない「とある習慣」があります。
※本記事は新型コロナウイルス感染拡大時のお出かけを推奨するものではありません。新型コロナウイルスの海外渡航・入国情報および各施設の公式情報を必ずご確認ください。
台湾では旧暦7月に結婚してはいけない
愛する人同士が結ばれる方法は、決して結婚だけではありません。しかしお互いの気持ちが同じく結婚という方向に向いているのであれば、それは結ばれるべきであって、誰かが否定していいことではないはず。
しかし台湾では、古くから旧暦7月に結婚してはいけないという習わしがあるのだそう。ちなみに2023年の旧暦7月は、新暦でいう8月16日〜9月14日です。
この旧暦7月に台湾では、さまざまなイベントが行われます。日本でいうお盆にあたる時期で、通称「鬼月(guiyue)」と呼ばれていて、この1カ月間は鬼たちが霊界からこの世にやってくると信じられています。
ちなみに鬼とは「幽霊」のこと。ご先祖様だけでなく、無縁仏の霊や悪い霊たちも舞い戻ってきてしまうのだそう。そして鬼月のなかでも旧暦7月15日にある「中元節」には、盛大なイベントがあります。
この日は、あの世とこの世を繋ぐ扉が大きく開くため、「普渡(pudu)」というお菓子や果物などを置いたり、線香を焚いてお祈りしたりする儀式が行われます。そんな鬼月の間は、鬼を刺激しないようにさまざまな禁忌が設けられているのです。
禁忌のひとつが結婚などの「お祝い事」。人生の転機となるイベントは避けるようにと言い伝えられているため、結婚式もNGといわれているそうです。
「鬼月には、結婚式をしたり家を買ったり、新しいことを始めるのは不吉といわれています。もちろん一部には守らない人もいますが、結婚式の機会は明らかに激減しますね」(台湾出身)
「寅年」生まれの人は避けられる?
旧暦7月にはいろんな禁忌事項があるため、結婚ができないこともある台湾。もちろんその時期を外せば何の問題もありません。ただし、台湾では生まれ年の「干支」も縁起物として重要視されているそう。
なかでも敬遠されがちなのが「寅年」生まれの人。寅年生まれだと、結婚式に参加できないケースもあるのだとか。
「寅年生まれの人は結婚式への参加を断られたり、花嫁や花婿の付添人をすべきではないといわれています」(台湾出身)
台湾で寅(虎)は凶暴な生き物とされており、寅年の人が結婚式の場にいると、新婦に不幸が訪れたり、子どもができにくくなったりするといわれているのだそう。
とくに年配の人はこの言い伝えを信じている人が多いため、場合によっては結婚式に参加できないこともあるようです。
ただ、最近では「寅年でも気にしない」という人も増えている様子。たしかに「寅年だから」という理由で、結婚式に出られないのは悲しいですもんね。
そして寅年同士で結婚することもあるはず。そんなときは友人・知人たちも寅年であることが多いはずですから、気にしていたって仕方がありません。
もちろん考え方はひとそれぞれ。古くから伝えられている習わしにそっていることも間違いではありませんし、その習わしを文化として理解し、刷新していくこともダメとはいえませんよね。
このように台湾の文化は奥が深く、日本ではなかなか聞いたことがないような風習が現代に伝わっていることがあります。そんな台湾だからこそ、新旧の良さを感じられるのかもしれないですね。
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