料理で町は元気になる。過疎地に80万人の観光客を呼んだ奇跡のシェフ
~村上龍の編集後記~
「食材を活かす」誰もが常識だと思っている。だが、実はこれほどむずかしいことはない。食材は、料理人の知識や技術を超える偉大な存在なのだ。
かつて北海道は「食材の宝庫だが美味しい料理は少ない」と揶揄されることもあった。そこに中道博というシェフが現れた。「食材と水」をベースにして、オーベルジュを作った。
料理は、自律的だ。どれほど高名なシェフでも、エゴが食材への敬意を覆ってしまったら、堕落する。中道さんは常に、食材と客のことを考えている。
その料理は、あらゆるエゴが消えていて、美味しさだけがある。
<出演者略歴>
中道博(なかみち・ひろし)1951年、北海道登別市生まれ。1970年、札幌グランドホテル入社。1974年、フランスに料理修業へ。1984年、ラパンフーヅ設立、「モリエール」開業。1997年、「マッカリーナ」開業。
source:テレビ東京「カンブリア宮殿」
※本記事は「MAG2 NEWS」に掲載された記事です(2017年8月18日)
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