年間227億円も。温泉宿で強制的に取られる「入湯税」とは?

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2017/10/03

各自治体のうち、日本一入湯税を徴収しているのはどこかというのを調べてみたら、さあ、どこだと思います?

草津? 別府? 湯布院? 城崎? いやいや、違うんだなぁ。

実は、入湯税納付自治体のトップは、ここ10年間くらい不動で「箱根町」なのである。 ちなみに2位は札幌市」で、これもほとんど不動という。

さて、その箱根町では、一体いくらくらい入湯税を徴収しているのかを、町役場の財務課に電話取材して確認してみた。 いや、驚いたねえ。

なんと、6億8470万円(H28年度決算金額・つまり1年分の金額)にもなるというのだ。

一人150円の入湯税で割ってみると、年間に温泉で入湯税を支払う人は、大まかにいえば456万人以上ということになる。

その約7億もの入湯税が何に使われているのかざっくりと聞いてみると、

1> 観光振興費(誘客や宣伝など諸々)=1億7246万円

2> 観光施設整備費=8451万円


3> 環境衛生施設整備費=4億1171万円

4> 消防関連費=1603万円

あたりが主なものだという。

ちなみに、浴衣の似合う温泉街日本一でもある草津温泉(草津町)でも、同じことを訪ねてみたら、H28年度決算金額で、入湯税合計は、2億2666万3000円だとのこと。 こう書くと、箱根町がいかにすごいのかよくわかる。 何せ、天下の名湯・草津の約3倍である。

で草津町総務課で使途の主だったものを訪ねてみたら以下の通りであった。

1> 湯畑・西の河原周辺整備費=1億100万円

2> 観光協会の運営費その他=3500万円

3> イベント・宣伝関係費=1300万円

草津温泉では、この数年間、湯畑周辺の整備、西の河原公園の際整備に注力しているので、この金額の配分としては想像通りなのだが、しかし、その整備の規模の大きさを知っている僕としては、1億円だけなの? という気もした。

が、これはあくまでも単年度の金額なので、数年かかって整備してきたことを考えると、毎年、1億くらいは湯畑や西の河原の整備に使っているのであろう。 実際にそうした整備によって、草津は大きく観光客数を増やしているので、運営としては成功しているといえそうだ。(つづく)

  • image by:photoAC
  • ※本記事はMAG2 NEWSに掲載された記事です(2017年10月2日)
  • ※掲載時の情報です。内容は変更になる可能性があります。
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愛知県生まれの紀行作家、郷土料理写真家。編集部記者として月刊誌の編集に携わりながら全国各地を取材。『クチコミおでかけ旅情報』編集長、創刊50年を誇る現役最古の旅行雑誌『月刊旅行読売』の編集長を歴任したのちに退職、独立。これまで編集した雑誌や情報誌は数100冊、過去に泊まった宿は800軒余、入浴した温泉は3,000湯を超える。

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