ほんとにトトロいたんだもん。埼玉に実在する「トトロの森」に潜入
ジブリ作品の中でも最も人気のある作品の一つ「となりのトトロ」。その舞台として有名なのが、埼玉県と東京都にかけて広がる狭山丘陸です。そんなトトロの聖地になんとトトロに会える家があること、ご存知でしたか?
狭山丘陵で見つけた聖地。トトロが縁側でくつろぐクロスケの家
埼玉県南西部から東京都北西部にかけて広がる狭山丘陵(さやまきゅうりょう)は、ジブリ作品“となりのトトロ”の舞台になったとされる地であり、良く似た地名などが存在すると共に、今もなお、豊かな緑が存在する地としても有名です。そんなトトロの聖地とも言える地に、その名もズバリな“トトロの森”や、“あの家”があるということで足を運んでみました。
「埼玉県に『クロスケの家』があるらしいよ」ー。
ジブリ好きで勘が鋭い方は、あの人気作品『トトロ』に登場するキャラクター「まっくろクロスケ」のことだって、察しがつくとは思います。そう、埼玉と東京をまたがる狭山丘陵は『トトロ』の舞台のひとつにもなったことでも知られるスポットなんです。そこは「トトロの森」と名付けられました。その中でも名物スポットとしてしられるのが、「クロスケの家」。一体どんなところなのか?興味惹かれます。
さて、そうこう考えているうちに、到着。ちなみに、この「クロスケの家」の周辺には看板がないうえに、入口の道が狭いため、下調べをして行かないと、辿り着くのがなかなか難しそうな立地にありました。
映画の中でサツキとメイが引っ越してきた古民家と同じイメージのこの家。
庭に足を踏み入れた瞬間にお目見えしたのは、巨大なトトロ!目算で2m近くの座高で、見応えがあります。
実はここは公益財団法人トトロのふるさと基金の事務所になっている古民家で、国の登録有形文化財にも登録されています。
この母屋、約50年前に越生から移築された築百年を超える古民家なんです。中に入ってみるとわかりますが、縁側、囲炉裏、襖絵など昔ながら農家のたたずまいを色濃く残した場所でもあります。また、母屋は2階に上がる事もできます。母屋の2階は広い空間になっていますが、今ではあまり見る事のできない太い梁や柱が印象的です。
頭の中で突然、「だぁれもいねぇ古い家に湧いて、そこらじゅうススと埃だらけにしちゃう…」という、映画となりのトトロに出てきたおばあちゃんの言葉を思い出しました。もしかしたら、この古民家が買い取られる前には、まっくろクロスケが居るような放置された家だったのかもしれませんね。クロスケはいませんが、クロスケがいる雰囲気が漂っています。
蔵には、稲木に稲を干す様子や、茶箱、その他団体の活動資料などを見る事ができるようになっています。また、蔵の側面には、家紋のように、トトロマークが施され、シャレが効いていたりもします。
家の中を探せば、クロスケも!
公益財団法人トトロのふるさと基金は、トトロのふるさとである狭山丘陵の緑を守ることを目的として設立された団体。いくつもの市民団体が協力して設立され、緑を育むための土地の購入や、各種普及イベントなどを開催している団体なのだそうです。基金が取得管理している土地は、ここ狭山丘陵各地に散在しており、その箇所は2017年現在で40カ所以上にものぼるため、一日で全てを周る事は、ほぼ不可能ですが、せっかくなのでどこかのトトロの森も見てみたいと思いますよね。実はそんな方々のために、各種散策ルートが提案、公開されていますので、ぜひチェックしてみてくださいね。
トトロの森 1号地へ
今回は「トトロの森1号地」へ。散策ガイドが作成された頃から少々時間が経っていたからか、地図にある建物が変わっていたりして、少しだけ迷いましたが、無事に辿り着く事ができました。
森の入口周辺には、水辺を含めたビオトープなどが設けられており、ザリガニなどを見ることができます。
トトロの森1号地は、環状散策地となっており、ルートに沿って歩くと、元の場所に戻って来ることができるので、安心して散策しましょう。
全体的には、大きな杉やクヌギなどが群生しているのが印象的でした。また、丘(山?)の上のあたりには、斜面に沿って小さな茶畑があった事に驚きました。この茶畑も、しっかり管理されているようでした。
ところで、お気づきかもしれませんが、クロスケの家はトトロの森の中にはありません。
私の場合は逆になってしまいましたが、トトロの森の散策を兼ねて、クロスケの家に立ち寄り、管理団体である公益財団法人トトロのふるさと基金の活動を学ぶといったスタンスで散策するのが良いかもしれませんね。
ちなみに、クロスケの家は、火曜、水曜、土曜が開館日となっており、開館予定曜日であっても、祝日と重なる日は閉館となるようですので、事前確認をしてから訪れるのがベターです。
また、狭山丘陵には、「狭山丘陵いきものふれあいの里センター」や「さいたま緑の森博物館」、「東大和市立郷土博物館」および「里山民家」など、自然や歴史を学ぶ様々な施設がありますので、そういった施設に立ち寄るのも良いかもしれません。
これからの秋には、各所で紅葉を見る事ができるでしょうし、冬になれば、落葉樹と常緑樹の分布が明確になるでしょう。春になれば新緑と新しい命が溢れるようになり、夏には強い日差しを優しく遮る緑が茂るというように、四季折々の散策を楽しむ事ができるようになると思います。折を見て、各所の森を散策してみてはいかがでしょうか?