移住希望ランキング、長野、富山、新潟、北海道はなぜ人気が高いか
近年、よく話題になる地方への移住。TRiP EDiTORではこれまでも「50歳から住みやすい地方ランキング発表。第1位には九州のあの都市」や「最も住みたい田舎No.1が決定!西日本がランキング上位を独占」といった住みやすい街や人気の移住先について紹介してきました。そして先日、総務省が「移住相談件数」について発表を行いました。全国の中でも、移住相談が1万件を超えたのは長野、富山、新潟、北海道の4県でした。
「移住相談」が増加。注目度が高い長野、富山、新潟、北海道
総務省が発表した「平成28年度における移住相談に関する調査結果」によると、2016年度に都道府県や市町村が受け付けた移住に関する相談は、計約21万3400件。これは前年度より約7万1,000件増えた結果となりました。この結果からもわかるように、いまだ移住への関心の高まっているようです。
都道府県別では、中でも最も多かったのが、長野県で約1万5千件。続いて、新潟県が約1万3千件、そして、北海道と富山県が約1万1千という結果となりました。
移住相談窓口等において受け付けた相談件数
1位 長野県(15,021)
2位 新潟県(13,246)
3位 北海道(11,794)
4位 富山県(11,787)
5位 石川県(9,099)
6位 兵庫県(8,109)
7位 鳥取県(8,059)
8位 高知県(7,518)
9位 岡山県(6,779)
10位 島根県(5,790)
相談件数が1万件を超えているのはこの4都道府県のみ。相談窓口が多く、イベントに多く出展している自治体は相談件数の伸びにつながったようですが、なぜこの4都道府県にいま移住者の相談が殺到しているのでしょうか。それぞれの県や自治体が行っているPR活動やその魅力を探ってみました。
移住相談件数 NO.1 長野県
移住件数が1位の長野県。以前にNPO「ふるさと回帰支援センター」が発表した「2016年の移住希望地域ランキング」でも2位にランクインしました。
東京から近いのに、大自然に囲まれた長野県はご存知のとおり別荘地としても有名。「週末だけのプチ移住」として軽井沢へ訪れる人も多いようですが、本格的な移住を希望する人も多いようです。
長野県に移住希望者が多いワケ その1:移住支援制度が充実
「ふるさとに逢える 楽園信州 心が澄む・信州に住む」というキャッチフレーズで移住情報を発信する「楽園 信州」。移住体験者の体験談から相談窓口まで移住に関する情報を詳しく発信しています。中でも注目すべきは各自治体による「移住支援制度」が充実していること。
例えば、「日本で最も美しい村」に認定された高山村は新たに創業する個人または法人に対して経費の1/2以内の補助費を支援する「創業支援補助」や、高山村で婚姻届が受理された後、1年以上村に居住し引き続き村に居住する意思のある夫婦に対して20万円を交付する「定住促進結婚祝金」などの移住支援制度をおこなっています。
このような移住支援制度があるというのは、移住希望者にとっては大きいでしょう。
長野県に移住希望者が多いワケ その2:「移住 × テレワーク」富士見町のケース
働き方が見直される時代。都市に縛られず、地方でも仕事ができる「テレワーク」という働き方を推奨しているのが、富士見町(ふじみまち)です。
町の人口維持のため、移住、定住の増加を促進するために始まった「富士見町テレワークタウン計画」では、「移住&テレワーク」応援プロジェクトを実施しています。
今年4月より、富士見町へ移住を希望し、コワーキングスペースを使って働きたいという移住希望者の家賃・光熱費を補助するというもの。「富士見 森のオフィス」のコワーキングスペースを日常的な仕事場として利用することができ、なおかつ、家賃と光熱費を合わせて、月額 8万3千円の補助が受けられます。
こちらのオフィスには、8つの個室型オフィスルームがあり、もちろんwifiも完備。自由に座ることができる大型コワーキングスペース、食堂スペース、キッチン、シャワー室などを備えられています。パソコン一台あれば仕事ができる!というフリーランサーの方にはちょうどいいですね。こんな新しい働き方を推奨する環境があるのも、移住を考える大きなポイントですよね。
次は積極的な窓口を設け、移住相談件数を伸ばした新潟県です。