神様はいるの?いないの?「神無月」の語源を考える
いろいろ調べてみると、とりあえず「神無月」の「神様がいなくなるから」という説は、中世以降、出雲大社の御師が全国に広めた「後付け」のものらしい、ということがわかってきました(「俗説」ということで説明している事典類は多いはず)。
今のところ「な」は「の」の意味のある格助詞で、「神の月」という意味だと解釈するべきようです。となると、「ではなぜ旧暦10月は神様の月なのか?」という疑問が湧いてきます。
そこからまたいろんな説が出てくるのですが、今のところ「決定打」はなさそうです。こういうところにも、古代へのロマンが潜んでいると言えますね。
他にも「師走」も「師(師匠)の僧があちこちで経を上げるために走り回る月」だという説がありますが、これも俗説とされています。
漢字表記がなんとなく「師が走る」というのと合うのでそんな感じがしますが、本来は別の語だったのが、時間を経て変化して「しはす」となったと考えるのが適当のようです(ただ、元の語がなんだったかは、これまた諸説あります)。
語源の探求というのは非常に難しいもので、かなりいい加減なものも少なくありません。ただ、そこの中に、その説を作った人、受け入れていった人々の何かしら共通の思いがあったものと…私は思います。そう思うと、俗説は俗説でまたロマンを感じることができるのではないでしょうか。
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- ※本記事はMAG2 NEWSで掲載された記事です(2017年10月6日)
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