PR動画で地方は変わるのか。宮崎県小林市の制作担当者に直撃してみた
小林市出身者の執念が名動画を生んだ!?
ところで、今回の動画は「てなんど小林プロジェクト」の一貫なんですよね。
はい。動画ばかりが表に出ていますが、あくまでプロジェクトの1つ。市民が一緒に小林市の魅力を伝えていこうという企画で、小林市役所からメンバーが選任されました。
プロジェクトでは写真や動画のコンテストも行っていて、そのひとつが「西諸弁ポスター」です。
こちらはジモココの兄弟メディア「MAG2NEWS」でも取り上げさせていただきました!
動画制作のきっかけはどんなところだったんでしょうか?
7月に開催された「全国移住ナビ」の動画コンテストに応募するために動画制作がはじまったんですが、その時に声をかけさせていただいたのが小林市出身で電通・コミュニケーションプランナーの越智一仁さんです。
越智さんとはお知り合いだったんですか?
動画の話の前に、越智さんから「小林市で学生を対象に講演会をしたい」という話をいただいていました。最初は「いや〜胡散臭いなぁ」って思ってたんですけどね(笑)。
いきなり講演会させてくれって、越智さんもなかなか怪しいですね。
結局その時は講演会の話は改めて、ということになったんですが、越智さんとしては「故郷のために何かをしたい」という気持ちがあったそうです。
越智さんの夢が、今回の動画制作で現実になったんですね!
動画の話が出た時も予算があまりなかったので、せめて参考意見を聞けないかなと越智さんにお話をしたら、なんと会社を説得して、市の案件を受けてくれることになったんです。予算もないのに…。
これで失敗したら大変なことでしたね。
しかも最終的には、越智さんが電通九州・プランナーの村田俊平さんと、株式会社ROBOTさんを連れてきたので…これは大変なことになったぞと。
村田さんと言えば表彰されたCMをいくつも手掛けてる名プランナーですし、株式会社ROBOTと言えば『永遠の0』や『ALWAYS 三丁目の夕日』も手掛けた超有名な制作会社じゃないですか!
越智さんが身銭切って8万円のお寿司をご馳走して口説き落としたらしいです。
その結果がこの動画の反響、小林市を愛する越智さんの執念の結果ですね。
そうですね! もちろん越智さんもさることながら、「小林市めっちゃ田舎だなー!」って言いながら来られた村田さんのおかげで、この動画の反響はあります。動画の隠れた小細工は村田さんの案なんですよ。
プラネタリウムを見て観客が爆笑しているシーンとかですか?
そのほかにもたくさんの仕掛けがありますよ! あ、ちなみに動画に登場したプラネタリウム「コスモドーム」は、9月の連休時期でも通常5〜6人しか来場者がいないのに、今年は60人くらいに増えたので、これは動画の影響が大きいのではと思っています。
製作時、最初は普通にプラネタリウムを見る予定だったんですが、村田さんが「なんか違うな〜」って言い出して。
セバスチャン(動画に登場するフランス人役の男性)が天井を見ずに、正面の女性を見つめているという設定も考えたんですが、ちょっとわかりにくくて。そしたら村田さんが「(制作現場の)みんな、席座ってー。はい笑ってー」って撮影したのがあのシーンです。
動画にはそういう異様なシーンに見える小ネタがたくさんありますよね。トンボの交尾とか、寿司屋で職人とセバスチャンが入れ替わるところとか、陰陽石はスケッチしてると思いきや…。
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