店主がツッコミ待ち。「かぶりもの」で買い物客をもてなす大阪の「笑」店街
リアルな情報をマイクで拡散
そう、この「かぶりもの笑店街」には、もうひとつの特徴があります。それは「マイクパフォーマンス」。
かぶりものをしているお店をはじめ商店街の「安売りニュース」「お得な情報」などをアーケードの中心部からMCがマイクで商店街全体に行きわたらせるという仕組み。
MC(この日は“おしゃべりアーティスト”の上田瑞穂さん)も、もちろん、かぶりもの着用。
買い物客はMCが話す「今日は○○というお肉屋さんが○割引です~」という声を聞きつけ、目印となるかぶりものの店へと向かうという流れ。決して単に奇をてらった地域おこしではなく、来客側にも便利なシステムなのです。
編集者が商店街をめぐって情報を収集
この「かぶりもの&マイクパフォーマンス」での商店街おこし「かぶりもの笑店街」を発起したのが、コミュニティスペース「情報発信 ドイノミクスStudio」を運営する白石光行さん(52歳)。母体となる地域活性化事業「本氣(マジ)メディア株式会社」の代表取締役です。
白石さんは土居のこのスタジオをひとつの拠点とし、Web情報サイト「号外NET」や街ネタアプリ「ジモネタ」の制作配信などを行っています。
5年前にオープンし、日頃は絵手紙教室や料理教室などワークショップの場に使われる「ドイノミクスStudio」。毎週土曜日になると、白石さんと、絵手紙の講師であり同社Webサイトの編集者である宮西陽子さんが商店街をくまなく巡り、お店に声をかけ、安売り情報などを訊きこみ調査。そこで得た最新ニュースを台本に起こします。
そうして情報を午前11時からマイクで拡散し、商店街全域にいるお客さんへと伝えるのが「かぶりもの笑店街」の一連の流れ。事前に収録した声を流すのではなく、話し手が商店街の真ん中に立ち、取材したてほやほやなリアル情報をリアルな声で届けるこの手法は、ありそうで意外とないもの。