あまり語られることのない、ボーイング787-9のクセになる乗り心地

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2018/04/10

「ダッシュ9」はボーイング787の完成形か

さて、数日間の仕事を終えて、今度は1日だけ東京へタッチするために、NH844という便に乗り込みました。これも夜行便で、しかもこの時の機材も「ダッシュ9」です。これも真っサラの新しい機体でした。チャンギ発22時25分。但し、今回のフライトタイムは6時間半という短さです。ですから、この時は乗機したらドアクローズで周囲が静かになった時点で眠ってしまうようにしました。

そんなわけで、このフライトでは24分の一気上昇というのは味わえなかったのですが、快適性ということでは同じでした。とにかく、気がついたら朝の5時少し前で朝食の準備中だったからです。シンガポールでの疲労もあったのかもしれませんが、このフライトでは本当に深く眠ることができました。これも「ダッシュ9効果」と言えると思います。その日は、東京で沢山の用事がありましたが、この日も疲労が出て困ることはありませんでした。

出張の最後は、HND朝便の「いつもの」NH110でJFK行きでした。これもナイス・フライトでした。最近の東行きにしては北のルート(アリューシャン列島をかすめる)だったこともあり、フライトタイムは12時間半。UA37の17時間半と比べると「アッという間」であり、もうこうなると「フライト中毒」という感じです。ただ、787の「ダッシュ9」を連続2区間乗った後ですと、777の「ダッシュ300ER」は機材に古さを感じてしまったのも事実です。

ところで、最初のポーションの大陸横断の機材は757の「ダッシュ200」で悪い飛行機ではないんですが、設計の古さは否めません。代替機としての「797(?)」の開発が待ち望まれます。開発ということでは、787には更に「ダッシュ10」という超長胴バージョンが存在し、これからどんどん就役することになりますが、大型化された分だけ航続距離が短くなっているので、北米からシンガポール直行というような路線には使えません。

ということで、この「ダッシュ9」というのが787の一つの到達点と言いますか、完成形ということになります。是非、ロングホールのフライトでその素晴らしさを体験されることをお勧めしたいと思います。

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『冷泉彰彦のプリンストン通信』/東京都生まれ。東京大学文学部卒業、コロンビア大学大学院卒。1993年より米国在住。メールマガジンJMM(村上龍編集長)に「FROM911、USAレポート」を寄稿。米国と日本を行き来する冷泉さんだからこその鋭い記事が人気のメルマガは毎月第1~第4火曜日配信。

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