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TRiP EDiTOR編集部
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2018/05/23

山道は行き交う人の優しさに満ちていた

歩いていると、お父さんやお母さんに手を引かれながら登っていく3歳くらいのお子さんたちや、ワンちゃん連れ、両手に登山ストックを握ったご高齢の方によく出会います。どちらからともなく「こんにちは」と笑顔で声を掛け合い、ゆっくりゆっくり、道を譲りあいます。

こんなに知らない人と笑顔で声を交わしたことって最近あっただろうかと、ふと考えました。路上でも電車でも、知らない人とはむしろ関わらないようにする日常しか思い出せませんでした。「通行人」や「乗客」の人たちも、笑顔で挨拶したら笑顔が帰ってくるのかなぁ。

登山客の中には、小走りでトレイルランしている男性などもいましたが、登っている人は圧倒的に初心者が多いという印象でした。みんな優しく声をかけてくれるし、みんな同じように体力はそんなになさそうですから、恥ずかしがらずに道端でへたり込んだり、堂々とハアハア肩で息しながら登れます。麓で感じたなぞの使命感も緊張感も消え、ありのままに山を登っている自然体の自分がそこにいました。

山道のほとんどは、木やアスファルトの階段が整備されているので、十分安全に登ることができ、余裕を持って小鳥の鳴き声や木漏れ日などを楽しめます。それでもたまに岩場があったり、木の根がグラグラしているので、急がず、足元には十分に注意しましょう。

半分ほど登ったところに少しだけ森が開けた場所があり、そこからちらりと下界の街が見えました。ここまでくるのにバスを降りてからまだたった20分ほど。残りあと10分で出会う絶景への期待が高まります。

ここから厳しい階段が続きます。普段運動をあまりしていないため、「ハアハア」が止まりません!時々景色を見るフリをしながら水分補給をして、一歩一歩、登っていきます。そんな姿を見て「あとちょっとですよ」と声をかけてくれる方がいらっしゃいました。この時には、ろくに返事もできないほど消耗していましたが、この優しい言葉が背中を押してくれました。

最後の5分はずっと階段を登ることになり、ここが何より一番辛かったように思います。途中で、上の方からはしゃぐ子供達の声が聞こえてきて、あと少しだ!と奮起して頑張りました。

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