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冷やし中華もイノシシも挟む。個性派コンビニ「立山サンダーバード」の魅力

坂本 正敬
坂本 正敬
2018/09/19

カップめんの陳列にも感じられる立山サンダーバードの個性

東西版のカップめんが並ぶ陳列棚

立山サンダーバードのユニークさは、おにぎり、サンドイッチなどの手作りメニューだけではありません。カップめんなどメーカーが製造した食品のラインアップにも、創意工夫が見られて楽しいです。

例えば東洋水産の『マルちゃん 赤いきつねうどん』。同商品は東日本版と西日本版の2種類が存在するようですが、西日本なのか東日本なのか、いまいち判断が難しい富山県らしく、店内には東西の『赤いきつね』が手書きポップと共に陳列棚に隣り合って並んでいます。

日清のどん兵衛』も同じ。同店の公式SNSに陳列の様子をアップしたところ、読者から「『どん兵衛』は北海道版もある」との指摘を受け、敬吾さんは北海道版も入手して並べたと言います。結果として今では、『日清のどん兵衛』の東日本、西日本、さらには北海道版が一堂に会するユニークな陳列棚が実現しているのですね。

立山サンダーバードならではの取り組みは、挙げればきりがありません。例えば店頭に置かれた自前の自動販売機も、「すべて同じ商品が並んでいる自動販売機があったら面白いだろう」というアイデアから、同じ銘柄の清涼飲料水ばかりが並んだ商品構成になっています。

発想のヒントは、『UCC BLACK無糖』ばかり飲む常連客の捨てた大量の空き缶にあったそう。テレビコマーシャルなどで見かける『コカ・コーラ』だけの自動販売機のように、『UCC BLACK無糖』だけを扱った自動販売機を、空き缶の再利用を兼ねて自前の自動販売機で実践したところから歴史は始まるのだとか。

「さすがにブラックコーヒーだけの自動販売機は売れなかった」と敬吾さんは笑って教えてくれました。ですが、今ではニーズも考えながら、自分たちの所有する自動販売機で大いに「遊んでいる」と言います。

クリエーターとしての遊び心を持つ敬吾さんの経営スタイルがユニークな店舗を作る

敬吾さんが製作した店舗ロゴ

敬吾さんの遊び心は、一体どこから来ているのでしょうか。話を聞いていくと、店内では自身でデザインしたオリジナルTシャツや缶バッジなども販売していて、クリエーターとしての顔も持っていることが分かります。

昔から絵が好きだったそうで、今でも暇を見つけては絵を描いていると言いますが、そうした作り手としての自由な発想や遊び心が、店舗作りにも反映されているのですね。

左から伊藤敬吾さん、敬一さん、三知子さん

敬吾さんのお父さんで、立山サンダーバードの創設者である伊藤敬一さんは、「よくやっている」と敬吾さんの創意工夫を認めていると話してくれました。聞けば敬一さんは米国留学などの経験をお持ちで、その幅広い見聞と視野の広さから、観光客や登山客の集まる同地で弁当やおにぎりなどの携帯食を売れば商売になると考え、1996年にお店を立ち上げたと言います。

その店舗が今では、創業当時から一緒に働く息子の敬吾さんが創意工夫を凝らしたメニュー展開を行い、地元の人はもちろん、北海道から沖縄に至るまで全国の観光客も立ち寄る名物スポットに変ぼうしつつあるのですね。

富山旅行で県東部の山岳観光地に訪れる場合は、富山の隠れ名物スポット、立山サンダーバードにぜひとも立ち寄ってみてくださいね。

観光地情報

翻訳家/ライター。1979年東京生まれ、埼玉育ち、富山県在住。成城大学文芸学部芸術学科卒。国内外の紙媒体、WEB媒体に日本語と英語で執筆する。 主な訳書に『クールジャパン一般常識』(クールジャパン講師会)。

冷やし中華もイノシシも挟む。個性派コンビニ「立山サンダーバード」の魅力
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