人が芸術になる瞬間。「メルセ祭り」で限界を超えた美しさを見てきた
4mを超える巨大人形のパレードも必見!
メルセ祭りの一大イベントは人間の塔ですが、そのほかのイベントも盛り沢山。なかでも、観光客である私たちが見て楽しいのが“Gigantes“(ヒガンテス)と呼ばれる、高さ4mを超える巨大な人形のパレードです。
例年9月24日の朝11時ごろから旧市街で行われるパレードで、先程のサン・ジャウマ広場でも行われています。「人間の塔」と合わせて見学しましょう。
ヒガンテスたちは通りを行進した後にサン・ジャウマ広場に入り、そこでダンスが披露されます。カタルーニャ地方伝統の民族衣装をまとったヒガンテスたちのダンスは迫力満点。想像以上に細やかな動きをする巨大人形に釘付けになること間違いなしです。
夜は“Correfoc”へ行こう
大きな人形のパレード、人間の塔、民族衣装を着た人たちのダンスなどほのぼのとしたイベント、ハラハラするイベントが続くメルセ祭り。そして夜に行われるのが“Correfoc”(コレフォック)という、松明と花火で悪魔を追い払うイベントです。このコレフォック、参加するには少し勇気のいるイベントかも…。
まず日が暮れ始める18時ごろ、コレフォックの行進が始まります。先頭に立つのがカトリックの国らしく、さまざまな「悪魔」の人形たち。大人でも恐怖を感じるほど精巧に造られた悪魔たちが練り歩きます。
そして後に続くのが、悪魔を追い払う人々。さらに太鼓部隊も通ります。この悪魔、追い払う人、周囲の人と全員がなんと、棒に花火を刺して火を付けて走り回るのです。
辺りは爆竹の音と花火の音、そして太鼓の音で満たされます。上から火の粉が降ってくるので本当にスリル満点。スペインには少し危険を伴うお祭りがいくつかありますが、個人的にはこのコレフォックはかなりクレイジーなイベントだと感じました。
それでも終わった後に「楽しかった!」「また参加したい!」という人が多いのも、コレフォックの特徴です。長袖、長ズボン、帽子、スニーカー、そして顔にはバンダナと完全防備で行ってみてください。クセになるかもしれません。
落ち着いた大人の街という印象のバルセロナの、少し違う一面を目撃できるメルセ祭り。2019年も9月21日から24日までの開催予定です。奥深いスペインの魅力を掘り出しに、来年は訪れてみてはいかがでしょうか。
image by:David Ortega Baglietto/Shutterstock.com
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