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24歳の暑い夜。2019年のあの日、私は「香港」に恋をした

艶美な光を放つネオン。暑さのあまり滴り落ちる汗が首筋から背中をつたい、ここは異国だと感じさせられる瞬間だった。

2019年の6月、私はひとりぼっちで異国の地「香港」にいた。

※本記事は新型コロナウイルス感染拡大時のお出かけを推奨するものではありません。新型コロナウィルスの海外渡航・入国情報および各施設の公式情報を必ずご確認ください。

ひとりになりたい私と「香港」

image by:編集部

人生で初めての香港は、かなり衝撃的な思い出になったことを覚えている。

私は毎年、自分の誕生日にはどこかへ出かけて祝うことを習慣としていた。誕生月は6月なので、1年のなかでも祝日がない月である。

そんな6月生まれだけど、誕生日は1年のなかで自分だけの特別な日であるからこそ、何がなんでも誕生日当日は必ず有給休暇をとるのが恒例となっていた。

2017年は北海道の札幌へ。2018年は韓国のソウルへ。それまでは年下のボーイフレンドと出かけていたけれど、私より少し遅れて社会人になった彼は忙しく、どこかへ気軽に旅行できるほどの余裕は残念ながらなかった。

彼とはもう長い付き合いだし、お互いの誕生日はもちろん、休みの会う日はなるべく一緒にいた。それでも、たまにひとりになりたいときがやってくる。それが2019年、24歳の誕生日だった。

「ひとりになりたい」という感覚になったのはかなり久しぶりで、ただ知らないところへ行きたかった。きっと、そのタイミングがたまたま自分の誕生日だっただけなのだろう。

一生に誕生日が何回くるかはわからない。だからこそ、誕生日は1年でもっとも重要な日のひとつ。


「いままでどんな誕生日を過ごしてきたの?」と聞かれても即答できないくらいのことでもいいから、私は自分のなかで思い出というログがほしいのだ。

そんなどこかへ行きたい欲がピークまで達した私は、彼に「どっか行ってくるね」と一言だけ伝えた。

表向きは、彼の仕事も忙しいだろうし自分の誕生日に体力を使わせたくないという理由で。もちろん本音は、ひとりでどこかへ行きたい。これ以上の理由はなかった。

同僚には「貯まったマイルを消費する」という名目のもと、往復の香港へのチケットを予約した。行き先を香港にしたことに、明確な理由はない。

行き先はなるべく「近場」で「コストがかからない」、そして「行ったことのない場所」に重点をおいて探した。

その結果、2泊3日でも行ける近場で(ANAの特典航空券で)コストがかからない、行ったことのない香港に行き先が決定したのだ。

とはいえ、当時の私は香港についてあまり知識を持っておらず、ネオンサインがとても綺麗で、英語が通じるくらいのことしか知らなかった。

この文を書いているいまとなっては、あの年のあの日、あの時間、たったその程度の情報量しかもって旅立ったことが、とてももったいなかったと思う。それほど香港という街は、私の後ろ髪を引くほど素敵なところだった、そして当時の香港は、少し特殊な時期だったかもしれない。

そのころの香港では、2019年3月から「香港民主化デモ」が行われていたのだ。

国際線の機内で飲んだ白ワイン image by:編集部

成田空港から香港国際空港へ行くときは、ウキウキとワクワクという言葉が似合うほど、期待で胸がいっぱいだった。知らない場所へ行くのも久しぶりだし、なんといってもいまは念願の「ひとり」だ。

image by:編集部

その国の法律を守って人様に迷惑をかけないことは当たり前だが、この度の最中は誰にも気を使わず、何をしようが何を食べようが、私の自由なのだ。

香港空港のモノレール image by:編集部

香港に到着して最初のミッションは、「ホテルへ行く」こと。

今回は初めて「Uber taxi(ウーバータクシー)」を利用してみた。空港についてすぐ、あらかじめ落としておいたアプリを開き、タクシーを探索。

アプリにはタクシーの運転手さんの話せる言語などが表記されており、行き先をあらかじめ入力するので「まぁ大丈夫か」と、たかをくくっていたが見知らぬ空港では要注意である。

3分しか離れていない場所でも慣れない土地では時間が倍以上かかる image by:編集部

なかなかタクシーと合流することができず、駐車場や建物を行ったり来たりして、かなり時間がかかってしまった。

結局、無事にタクシーに乗車することはできたが、乗車場所を指定するときは、なるべくわかりやすい場所で、一般のタクシーが並んでいる場所を避けて、いまいる現在地に呼ぶほうがよいと自分を戒めた。

タクシーの中から見た景色。空は快晴 image by:編集部

予約していたホテルは、香港の「尖沙咀(チムサーチョイ)」というエリアにある。到着後すぐにチェックインをすまし、部屋に荷物を置いて、さっそく初めての香港の街を散策することに。

この時点でほとんど体力は残っていなかったが、旅とは不思議なもので、日常を詰めた荷物から解放されると、あっという間に元気いっぱいな状態になってしまうのだ。

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